コールセンター

コールセンターのRPA化できる業務と導入時の課題をおさらい

コールセンター業務のRPA化について

最終更新日:2019年2月13日
このブログはコールセンター向けにAIを活用したソリューションを提供する、株式会社サイシードが作成しています。
最新の事例や企業での活用方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

サイシード
こんにちは、サイシード代表の松尾です。
みなさん、RPAという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「知ってる!」という方もいれば「聞いたことはあるけど詳しくは知らない」方や「AIとの違いがわからない・・・」という方もいらっしゃると思います。
この記事では、コールセンターを運営される企業の担当者様向けに、RPAとは何か、コールセンターのどういった課題が解決できるのかをご紹介いたします。

RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション) の略で、繰り返し行う作業内容が似たような定型業務を自動化するツールのことです。
国内メガバンク各行が、RPAによる自動化で何百種類の業務・何万時間・何千人に相当する業務を削減していくといった目標を発表するなど、企業が自社の業務にRPAを取り込み、効率化をするニュースが取り沙汰されました。
近年、このRPAをコールセンターの業務効率化にも活用しようという動きが出てきています。

この記事の目次

コールセンターの運営の現状と課題

スマートフォン端末の普及とともに、企業と顧客の接点としてのコールセンターの役割は年々重要度を増しています。

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電話・メール・チャットと顧客対応を効率化しようとする中で、逆に業務オペレーションは複雑化しています。
いかに顧客満足を高めながら、業務合理化を進められるのかという課題に、コールセンターを運営されている企業様であれば直面されているのではないでしょうか。

複雑化するコールセンター業務の課題としてよく挙げられるものは以下の2つです。

1. 人手不足

コールセンター業界は離職率が高く、そのため人手不足になりがちです。人を集めるために時給を上げなければならないので人件費もかさんでしまいます。もし新しく人を入れたとしても、その研修のために時間もかかりますし、研修中経験を積んだオペレーターがつかなくてはならないため、かえって手間が増えてしまうこともあります。

2. ブラックボックス化した現場オペレーション

業務拡大・複雑化をしていく中で、コールセンターの現場オペレーションが経営・マネジメントから見えづらくなっていく企業様もいらっしゃいます。追加投資をすべきなのか、費用削減すべきなのかのレポーティングに時間がかかり、またその作成のための間接業務も増えた結果現場への負担も増えてしまいます。

コールセンターで導入できるRPA、5つの業務例

それではRPAの導入で先に述べた3つの問題をどう解決できるのでしょうか。ここでは、どのような業務がRPAの活用によって改善されるのか、具体例をご紹介します。

1. クレーム対応履歴の記録転記

顧客からのクレームを通常の対応履歴として業務管理システムに入力するだけではなく、クレーム報告書の提出をする業務フローにしている企業は数多くあります。転記をするといった業務は、RPAの導入によって自動的に処理することが可能です。

2. 電話履歴のダウンロード

電話品質の向上や事後のトラブルを回避するため、音声データを保管しているコールセンターがほとんどではないでしょうか。一定のデータ蓄積がされた場合、システムからダウンロードし、別サーバーへ格納をしているケースがあります。このようなデータのダウンロードといった反復作業はRPAで自動化することが可能です。

3. メール対応の履歴転記

コールセンターでは、顧客の個人情報をインターネット回線に接続しないネットワークで保存している企業もあります。また、顧客とのメール対応履歴をインターネットから業務システムへ転記するという作業をしている場合もあります。このようにネットワークの違うシステム間をまたぐ転記作業であってもRPAによって自動処理することが可能です。

4. 日報の作業記録集計

スタッフが記載する日報に作業工数を記載させ、その集計を上長が行う企業は多くあります。作業工数を把握することは業務効率化をしていく上で重要な情報となりますが、集計作業が手作業になっている場合、RPAを導入することで作業工数の集計を自動化することが可能です。

5. 勤怠の突合作業

最近は、勤怠管理・残業管理など、労務管理に対する厳格な管理を求められるようになっています。そのような中で、パソコンの開始または終了をしたタイミングのログと、コールセンターの入退室のログに大きな乖離がないか突合をするといった業務を管理部門が行う場合があります。RPAで自動化することで定期的に社内監査を行い、労務関連の問題を早期に発見することができます。

主要な3つのRPAツール

一言にRPAツールと言っても、その種類は多様です。そこで、実際のRPAツールの中から主要な3つのコスト・特長をご紹介します。

BizRobo!

提供会社 RPA テクノロジーズ株式会社
コスト
・トライアル:約30万円(有償) ※無償パックもあり
・従量課金:約5万円~/月
・レンタル(自社運用):約60万円~/月
・レンタル(プライベートクラウド):約30万円~/月
国内400社以上の企業に合計10,000以上ロボットを供給し、運用をしてきた国内最大級の実績を持つRPAツールです。実績に基づいた、適切なRPAツールの提案と、10業界20業種40社とパートナー連携により各業界に特化したサービスを提供することが可能です。

WinActor

提供会社 NTTデータグループ
コスト
・フル機能版:約91万円/年
・実行版:約25万円/年
業界大手企業による業務の自動化ツールで、フローチャート形式のビューにより直感的な操作で編集が可能です。プログラミングの知識がなくても、動作シナリオの微修正や調整を行うことが可能です。

UiPath

提供会社 UiPath株式会社
コスト
・UiPath Studio(開発機能):35~60万円程度/年
・UiPath Orchestrator(実行機能):250万円程度/年
・UiPath Orchestrator(管理機能):15~75万円程度/年
世界1800社(2018年9月時点)で採用されているRPAツールです。サーバーにインストールして開発・実行・管理を行う「サーバー型」、単独のPCにインストールしてデスクトップ上で開発・実行のみを行う「クライアント型」の両方に対応しており、開発・実行・管理の各機能も独立しています。このため、導入を最小構成から始め、後から拡張していく使い方が可能です。

RPAとAIの違い

RPAの利点はご紹介したとおりですが、「AI」との違いについて聞かれることもよくあります。
これらの違いについても触れておきます。
RPAは先述したように、繰り返し行う作業内容が似たような定型業務を自動化するツールのことです。
これはエクセルのマクロのように明確なロジックが定義されていて、その指示通りにしか動きません。
一方でAIは大規模なデータをもとに統計的に判断を行うアルゴリズムです。
わかりやすい例では、画像をインプットして、猫か犬かを判断するのは画像認識のAIです。
弊社の得意とする自然言語処理の分野だと、「PCが突然つかなくなった」=「PCの電源が入らない」と同じ質問分だと判断するのもAIです。
したがって、曖昧なものを判断するのがAIで決められたロジックに従って処理を行うのがRPA(を含む一般的なシステム)だと覚えておいてください。

コールセンターでRPAを導入する上での課題

導入すると大きな業務改善が見込めるRPAですが、導入する上では考慮すべき課題も存在しています。
具体的に3つ説明します。

業務が属人的で、RPA化できる部分を切り出せない

RPAは決まりきったルーチンワークを処理する場合には非常に効果的です。しかし、人の判断を要する複雑な作業の処理には向きません。
例えば、「全ての問い合わせの中からクレームや改善要望だけを抜き出す」といった作業をRPAで自動化するのは困難です。
この作業は人間が文脈を読み取り、クレームかどうかを判断する必要があるためです。
また、内容が単純な業務であっても、マニュアルが無いなどの理由で人によってやり方が違う場合もRPA化は難しいでしょう。
この場合、RPA化するためには、マニュアル作成などによって業務をルーチン化する必要があります。
RPAは画一的で簡単な業務を削減するツールであるということを念頭に置く必要があるといえます。

設計ミスがあると個人情報大量流出に繋がる可能性がある

コールセンターは個人情報に触れる機会の多い業務ですが、それにRPAを導入する場合ロボット開発者の人為的なミスで個人情報の大量流出が起き、企業に甚大な被害をもたらす可能性も否定できません。今までのセキュリティリスク管理方法がRPAの導入に則しているのか外部の専門家に相談し、問題ある場合セキュリティ管理のどの部分を修正すればいいのかアドバイスをもらうといいでしょう。

業務の再ブラックボックス化

人材の入れ替わりが起こりやすいコールセンター業界において、例えば新しい担当者が「ここはRPAを実行するだけ」という理解をしてしまうと、業務全体の流れを理解しない人材が増えることになります。RPA導入前は意味のあったプロセスが単にボタンを押すだけ、ということになりかねません。
それを防ぐために「業務プロセスを文書化」するなどして、その工程の意味を周知できるようにしましょう。

まとめ

スマートフォンの普及によって大きな変化が生まれているコールセンターの現場では、人材採用の不足・管理コスト増大等の問題が生まれています。提携業務を自動化できるRPAを導入すれば業務効率を改善することができ、それらの問題を解決できることがおわかりいただけたでしょうか。

サイシード
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