コールセンター

コールセンターの応対品質を向上させる3つの効果的な方法を丁寧に解説

最終更新日:2020年5月8日

このブログはAIを活用したFAQシステム『sAI Search』を提供する、株式会社サイシードが作成しています。最新の事例や企業での活用方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

サイシード
こんにちは、サイシードの松尾です。
先日入ってきたインターン生が卯年生まれだと知り、干支が一回り違うことに戦慄しました。同い年のCTO西田は私以上に驚きを隠せずにいました。
さて、今回は同じように目から鱗であろう、コールセンターの品質向上の方法についてお話していきます!
また、記事の最後では「sAI Voice Analyzer概要資料」をプレゼントいたしますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!

企業におけるコールセンターの応対品質は、顧客満足度と密接な関係があります。ここで言う応対品質とは、電話の繋がりやすさ、顧客の疑問や要望に対するオペレーターの回答の適切さや顧客とのコミュニケーションの円滑さなど、通話全体の品質を指しています。

顧客満足度はリピート率に直結しており、応対品質が良ければ会社の収益は上がり、悪ければ収益が下がるといった形で、企業経営に直接的な影響を与えます。しかしながら、人材不足やコストの観点から、均一かつ高品質な応対を提供するのが難しい状況にあるコールセンターも多いと思われます。

また、応対品質の大切さは理解しているものの、
「何を基準に評価したら良いのかわからない」
「応対品質が悪い場合はどうすれば改善できるのか」
「コールセンターの応対履歴を品質改善に繋げる方法がわからない」

などのと悩みを抱える方もいらっしゃるでしょう。

そこで、本記事ではコールセンターにとって非常に重要な応対品質の管理方法や、評価・改善をどのような方針で進めればよいかを、具体例を挙げながら丁寧にご紹介します!

この記事の目次

そもそも応対品質とは?

冒頭でも軽く説明しましたが、応対品質とは、オペレーターが顧客から電話を受けて、会話が終了するまでに、どれだけ顧客の要求を満たせたかを測る指標のことを指します。
とはいえ、応対品質を評価するのは顧客のため、企業側で定量的に応対品質を測るのは難しいというのが現実です。

そのように、評価がしづらい応対品質を向上するためには、具体的に何を改善するのが良いでしょうか。
次の章では、応対品質の評価項目について、評価項目を作成する際に陥りがちな落とし穴と、おすすめの評価項目の作成方針について紹介していきます。

評価項目の選定方針

一般的に、応対品質を測るためには評価項目が重要と考えられています。この評価項目とは、オペレーターが電話を受けてから会話が終了するまでの一連のプロセスをいくつかに区切り、項目ごとに評価することで、定量評価をしやすくすることを指しています。

しかし、結論からお伝えすると、コールセンターについては、画一的な応対品質の評価項目を作ることは、あまり賢明な方法とは言えません。

何故かというと、一口にコールセンターといっても、顧客からの問い合わせに対応するインバウンド型コールセンターもあれば、営業電話など、コールセンターから顧客に電話をかけるアウトバウンド型のコールセンターもあるからです。また、業務内容に関しても、受注、問い合わせ受け付け、カスタマーサポート、ヘルプデスク、市場調査や営業サポートなど多岐にわたるためです。

それでは、この評価項目はどのように作成するのが良いのでしょうか。
それは、自社がどのような形態のコールセンターなのか、どのようなコールセンターにしていきたいのかを明確にすることが、評価項目作成にあたって重要なポイントとなります。

とはいえ、上記の説明のみではイメージしづらいと思いますので、通販企業のインバウンド型コールセンターを例に挙げてご紹介したいと思います。

通販企業のコールセンターの場合、応対品質を測るためには以下の3つの評価項目で考えることをおすすめします。

①つながりやすさ(サービスレベル、ASA、応答率)
②対応の速さ・正確さ(一次完結率、ATT、ミス率、保留率)
③非対面コミュニケーションの齟齬(モニタリング・スコア)

この3つの評価項目が重要である理由は後述します。尚、応対品質の設計方法についてより詳細を知りたい方には、こちらの記事が参考になります。

参考:BIZTEL BLOG 応対品質管理をやってみよう(第1回)

上記の3項目に加え、第一印象の良さを向上するための受電直後の対応や、クロスセルやアップセルを増やすための対応力などが、評価項目として採用されている場合もあります。
それでは、上述した3つの評価項目について、各項目の活用意図や各項目によって管理できる内容の詳細を説明します。

それぞれの評価項目の目的

この章では、インバウンド型のコールセンターにおいて、何故上記3つの評価項目で応対品質を評価すべきなのかを、詳しく紹介していきます。

①つながりやすさ(サービスレベル、ASA、応答率)

まず、企業側の管理者が見落としがちな「つながりやすさ」について紹介します。コールセンターへ電話をした際に、電話がつながらないことにイライラした経験がある方は多いのではないでしょうか。また、たとえオペレーターに電話がつながって問い合わせ内容が解決したとしても、「最初に待たされた」という印象は、想像以上に顧客満足度を下げてしまいます。

②対応の速さ・正確さ(一次完結率、ATT、ミス率、保留率)

「対応の速さ・正確さ」は最も分かりやすく応答品質を表している指標といえるでしょう。
顧客は、自身が抱えている問題・疑問・不満を、迅速かつ正確に解決したいと考えて、コールセンターに電話をしています。その事を踏まえると、オペレーターの対応の早さによって顧客満足度が左右されているといっても過言ではありません。
また、実際にこの項目の評価が高い場合、対象の企業や商品に対する顧客満足度は、電話を掛ける前よりも向上しているというデータが存在しています。

③非対面コミュニケーションの齟齬(モニタリング・スコア)

コールセンターでは、非対面コミュニケーションにおいて発生する齟齬も課題とされています。コールセンターでの対応の場合、基本的には電話越しの会話となるため、細かいニュアンスが伝わらなかったり、認識の相違が発生したりすることも少なくありません。

たとえ電話が繋がりやすく、オペレーターが正確な回答をしたとしても、顧客が不快だと感じる対応だった場合、顧客満足度は大きく下がってしまいます。

応対品質を改善する3つの方法

ここまで、応対品質の内容と評価方法を紹介してきました。

応対品質を定量的に評価できる状態を整えた上で、評価結果をもとに改善していく必要があります。応対品質を向上するための具体的な方法として、以下の3点をご紹介します。

  1. 自力調査
  2. 診断サービス/ミステリーコール
  3. システム面からのアプローチ

自力調査

自力調査というのは、コールセンター管理者がオペレーターの応対を直接確認する調査方法です。具体的には以下の3つの方法に分かれます。

  • 管理者が応対中の音声をリアルタイムでモニタリングする
  • 過去応対の録音データを管理者が後で確認する
  • 管理者がオペレーターの横に座り、音声を聞きながら端末操作手順をモニタリングする

また、端末操作状況を録画できるシステムを導入している企業の場合、後から音声とともに画面遷移をモニタリングするケースもあります。

これらの方法では、自社内のスタッフで直接オペレーションの評価をすることが出来るとともに、費用もそこまで大きくかけずに済むというメリットがあります。
一方で、管理者はチェック項目を確認するために、1本の応対を1度だけ聞いて全て評価することができず、何度も聞き直す手間が発生する場合があります。そのため、管理者にとっては長時間集中してチェックする必要がある、負荷の高い調査方法だと言えます。

また、オペレーターにとっては、管理者による評価結果は仕事を進める上で重要であり、どのような評価をされるのかに対して、敏感になりやすくなります。

診断サービス/ミステリーコール

コールセンターの改善要望が多くなっていることに伴い、診断サービスやミステリーコールというサービスも広まってきています。

この診断サービスとは、各オペレーターの応対スキルを評価し、コールセンター全体としての傾向と対策を提示してくれるサービスです。
さらに、ミステリーコールとは、調査会社の担当者が顧客を装ってコールセンターへ電話を掛けるサービスです。こちらのサービスは、オペレーターの応対品質を評価してくれます。

このような外部の調査会社を使った方法は、単純に調査を依頼するだけでなく、他社の事例も踏まえた自社に最適な指標作りから改善の方法の洗い出し・実施までできるため、メリットは大きいと考えられます。

システム面からのアプローチ

評価項目の1つである「つながりやすさ」については、電話のデータ分析が有効です。
具体的には、電話が掛かってきた曜日や時間帯のデータを分析することにより、オペレーターの要員配置を最適化することができます。
また、問い合わせの件数を内容別で時系列にプロットすることで、顧客からの問い合わせが収束傾向にあるのかなども見ることができます。

以上、コールセンターの応対品質を把握するための調査や改善方法を解説してきました。最新のソリューションとして、AIを使って応対品質を向上させる方法も次章でご紹介します!

AIを使って応対品質を向上させる3つの方法

AIを使うことの一番のメリットは、管理者やオペレーターの負荷を最小限に抑えられることです。

上記で解説した調査方法も有効ですが、どうしてもコストがかかってしまうため、費用対効果を考えると、導入をためらう企業も出てきます。そこで、AIを使うことにより、コストを最小限に抑えた上で、効果的なサポートシステムの構築が可能になります。

上記で触れた、自力調査、診断サービス/ミステリーコール、システム面からのアプローチには、それぞれ以下のメリットがありました。

  • 自力調査:直接オペレーションの評価をすることが可能
  • 診断サービス/ミステリーコール:他社の事例も踏まえた自社に最適な指標作りから改善の方法の洗い出し・実施まで可能
  • システム面からのアプローチ:データによる定量的な判断が可能

AIを用いた応答品質の評価においても、これらのメリットを実現することが可能です。

以降では応答品質の評価項目ごとにAIを用いたソリューションをご紹介します。

つながりやすさの向上

オペレーターの数を変えずに電話の繋がりやすさを向上させるには、入電数を削減することが最も効果的な解決策になります。

入電数を減らすための具体的な方法として、よくある質問をまとめたFAQページもしくはAIチャットボットの導入があります。顧客がコールセンターへ電話をかける前、これらのツールを使って疑問を自己解決できれば、電話をせずに済むからです。
ただし、FAQシステムやAIチャットボットも初期構築に労力がかかるのと、継続的な運用が肝になってくるので、運用工数を想定しておいてください。

対応の速さ、正確さの向上

また、オペーレータの対応速度や正確性を向上させることで、オペレーター1人が対応できる人数を増やすことも1つのソリューションです。
そのためには、紙のマニュアルや個々人の経験に頼った回答を行なうのではなく、オペレーター向けのFAQシステムを導入することにより、可能になります。オペレーターは顧客と話しながらFAQシステムで検索することで、迅速かつ正確に顧客対応できるようになります。

非対面コミュニケーションの齟齬

コールセンターに電話をしてくる顧客の中には激高して、対応が長くなってしまうケースも少なくありません。

対面と違い電話だと相手の感情がわかりにくいので、音声認識システムを使った感情認識システムを使い、顧客の感情を正確に把握して、対応時間の長期化を防ぐ取り組みが始まっています。

日本ではまだ本格的に利用されていませんが、今後普及してくるのは間違いないでしょう。

まとめ

今回の記事では、コールセンターの応対品質の概要と評価・改善方法を解説をしました。

コールセンターの応対品質は顧客満足度に直結しており、結果的に自社製品・サービスに対するリピートを生み出すきっかけになります。

応対品質を改善していく方法として、自社調査や社外の診断サービス・ミステリーコールのの活用に加えて、AIを活用したアプローチも紹介しました。
アナログな手段で定性調査を行い、AIシステムを使って定量的な調査を行なうという両輪で応対品質の向上に取り組んでいくのが良いでしょう。

記事中でAIを使ったアプローチが効果的だと説明しましたが、弊社でもAIを活用したFAQシステム『sAI Search』 を提供しています。

サイシード
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
こちらのフォームから、「sAI Voice Analyzer概要資料」をDLいただけます!
コールセンターの効率化を検討する際の参考として、ぜひご活用くださいね。
sAI Voice Analyzer概要資料

sAI Voice Analyzerは音声データをテキスト化し、問い合わせ内容を要約することで、コールセンターの効率化やFAQシステムの効果的な運用に活かしていくサービスです。また、あきらかになった課題をもとに、FAQ強化の提案やシステム導入、オペレーションの改善提案を実施します。こちらの資料では、機能・特徴・価格などのサービスの詳細について紹介しています。 音声データの分析を検討している方は、ぜひ検討いただければと思います。

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