コロナワクチン

官邸主導の『ワクチン接種記録システム』(河野システム)の全貌と連携方法

最終更新日:2021年3月1日

この記事は、音声認識システムやLINEミニアプリなどの先端システムを使って、『お問い合わせ革命』を実現する株式会社サイシードが作成しています。

代表 中村
サイシード代表の中村です。
内閣官房と主な予約システムベンダーとの2回目の協議会で、ワクチン接種記録システムの具体像がかなり見えてきたので、情報のアップデートをいたします。
こちらも非常に重要なので、ぜひしっかりご一読ください。

急ぎ見積もりが必要な方は、こちらのフォームよりお問い合わせください。
>>ワクチン接種予約システムの予算お見積りフォーム

また、弊社サイシードが提供する予約管理システムに関する情報は全てこちらのページにまとめているので、合わせてご確認ください。

『ワクチン接種記録システム』とは

内閣官房が主導する、『ワクチン接種記録システム』(記事中では、河野システム)は、各自治体の接種記録をリアルタイムに把握することで、4つのメリットが得られます。

1,転出元での接種実績を転入先でも正確に把握する
2,V-SYS入力のための集計を行い市区町村を支援
3,政府がワクチン接種の実施人数の集計データをリアルタイムに把握する
4,将来的に接種証明の発行が必要になった際に対応できる

これを実現するために、「いつ、どのようなデータを、どうやってやりとりするのか」について詳しく説明してきます。

『ワクチン接種記録システム』を使うタイミング

ワクチン接種記録システムを使うタイミングは大きく分けて3つあります。
1,接種対象者の登録(再発行・転出含む)
2,接種実績の登録(OCRタブレット、csvアップロード含む)
3,ダッシュボード(集計画面)の閲覧

【補足】逆に言うと、接種会場で接種前に利用することは想定されていません。
あくまでも、自治体が接種実績を管理・把握するためのシステムで、当日の来場者管理については各自治体ごとに用意した予約管理システムを使います。

では、これらの利用シーンを詳しく説明していきます。

1,接種対象者のcsvファイル登録(再発行・転出含む)

ワクチン接種記録システムの全体スコープを再掲します。
このオレンジ色の線で、csvファイルを登録する業務がこちらにあたります。

ワクチン接種記録システムの全体スコープ(CIOポータルより)

接種対象者の情報が更新されるたびに、csvファイルを登録する必要があります。

接種対象者一括登録フォーマット_CIOポータル

情報が更新されるタイミングとは、
接種券一括発行時:高齢者の一斉発行、一般市民の一斉発行などのタイミング
転入時:転入時には、各自治体で個別に接種券を発行するので登録を行います
接種券再発行時:再発行の際に、接種券番号が変わる場合は再度登録する必要があります
転出時:他の自治体で照会をかけられるようにフラグを登録します
その他:厳密には死亡時、氏名、性別変更時にも登録する必要があります

更新頻度は特に明言はされていませんが、転入先で接種券を交換してもらうことを考えると、週2回程度は行うと良いでしょう。
また、転入時には前の転出元の自治体での接種実績を引き継ぐ操作も合わせて行いますが、次の「接種実績の登録」で説明します。

2,接種実績の登録(OCRタブレット、csvアップロード含む)

ここでいう接種実績とは、ワクチンを接種した結果のことです。
転入時の引き継ぎを除いて、登録する方法は3つあります。

0,転入時の引き継ぎ

まずは、転入時の引き継ぎについて説明します。
転入時には住民が自治体窓口を訪れますので、その際にワクチン接種記録システムの管理画面から接種実績の引き継ぎ操作を行います。
操作のパターンは、3種類あります。

接種記録システムのモック_ベンダー協議会資料より

①接種券を持参した場合
接種券があるので、接種券発行元の自治体番号と接種券番号を入力するだけで照会可能です。
②接種券がなく、本人情報の提供にマイナンバーを使用することを許可した場合
転出元の都道府県名、市区町村名とマイナンバーをを入力するだけで照会可能です。
③接種券がなく、本人情報の提供にマイナンバーを使用することを許可しない場合
転出元の都道府県名、市区町村名と姓名・生年月日・性別の情報を入力して照会します。

そして、照会結果も3パターンに分けられます。

接種記録システムのモック_ベンダー協議会資料より

①データ照会に成功した場合
そのまま、管理画面上でボタンをクリックし、転入処理を完了させます。
②複数の対象者がいた場合
どの対象者なのかを特定するために、転出元の自治体に電話をして確認します。
その後の操作はまだ公表されておりません。
③データ照会に失敗した場合
理論的には存在しませんが、詳しいことはまだ公表されておりません。

1,OCRタブレットで登録する方法

ここからは3つの接種実績の登録方法を説明します。
まずは政府が配布するOCRタブレットで登録する方法です。

接種記録システムのモック_ベンダー協議会資料より

まず、タブレットごとに「病院名」と「ワクチンロットno」をプリセットします(いつでも変更可能)。
そして、タブレットで接種券のOCRラインを読み込むと、自治体内での接種の場合も、住所地外の接種の場合もそれぞれ読み取り結果が表示されるので、そのまま登録します。

2,インターネット経由(緑ルート)でcsvを登録する方法

予診票データ一括登録フォーマット_CIOポータル

所定のcsvフォーマットに合わせれば、接種実績の一括アップロードが可能です。
集団接種会場や、個別接種会場から予診票を回収するオペレーションを敷いてる自治体はこの方法で登録するケースが一番多いでしょう。
導入当初はcsvでのアップロードのみでスタートし、弊社も含めた予約管理システムとのAPI連携も順次検討していくとのことです。

【補足】ただし、このフォーマットには
・予診のみを登録しない
・1回目と2回目の接種で使用するカラムが異なる
という癖があります。一般的な「市町村番号」「接種券番号」「接種結果区分」「接種回数」「会場名」「ロットno」のフォーマットで想定している自治体は、変換ツールが必要になることは早めに考慮しておく必要があります。

3,予防接種台帳からcsvファイルを作成して接種記録データベースに直接登録(紫ルート)

一度全てのデータを予防接種台帳に登録し、それを前述のcsvフォーマットとして出力して、アップロードする方法です。
このルートはLGWAN環境内で行う必要があるので、2と比べると利便性は落ちます。

代表 中村
なお、緑と紫のルートの併用は可能とのことです。
当初、「(1)か(2)かいずれか迅速な方を自治体単位で選択」としか記載がなかったので併用不可かと思いましたが、協議会で併用可能と明言されました。

3,ダッシュボード(集計画面)の閲覧

接種実績の登録方法の説明が長くなりましたが、3つの利用タイミングとしてダッシュボードの閲覧を紹介します。
各自治体では接種者の統計情報随時V-SYSに入力する必要がりますが、その集計を行いダッシュボードに表示する機能を想定しています。
ダッシュボードの詳細な仕様はまだ判明しておらず、順次開発を進めていくことになります。

自治体の予防接種台帳の扱いについて

今回、「ワクチン接種記録システムに接種実績を登録すれば、自治体が管理する予防接種台帳に情報を登録しなくても、問題ない」ということが明言されました。
これも踏まえて自治体が取りうるデータ取得の流れと、弊社が考えるベストの方法をまとめます。

①予約管理システムを利用する会場と利用しない会場を併用する場合

予約管理システムを利用する会場と利用しない会場を併用する場合のデータの流れ

1,利用しない会場は予診票を回収し、まとめて接種実績のcsvを作成
2,1のcsvを河野システムのフォーマットに変換
3,予約管理システムから、河野システムのフォーマットに合わせたcsvを出力
4,2と3のcsvを河野システムにアップロード
5,(必要なら)4のcsvを自治体の予防接種台帳フォーマットに合わせて変換
6,(必要なら)5のcsvを自治体の予防接種台帳にアップロード

※3と4の一部はいずれAPI連携によって自動化される予定です

②全ての会場で予約管理システムを利用する場合

全ての会場で予約管理システムを利用する場合

1,予約管理システムから、河野システムのフォーマットに合わせたcsvを出力
2,1のcsvを河野システムにアップロード
3,(必要なら)1のcsvを自治体の予防接種台帳フォーマットに合わせて変換
4,(必要なら)3のcsvを自治体の予防接種台帳にアップロード

※1と2はいずれAPI連携によって自動化される予定です

③全ての会場で予約管理システムを利用しない場合

全ての会場で予約管理システムを利用しない場合

1,会場もしくは回収した後に、OCRタブレットで接種券をスキャンして河野システムに登録
2,(必要なら)河野システムから、接種実績のcsvをダウンロード
3,(必要なら)2のcsvを自治体の予防接種台帳フォーマットに合わせて変換
4,(必要なら)3のcsvを自治体の予防接種台帳にアップロード

OCRタブレットで1枚ずつ読み取るのはそれなりに時間がかかるので、大規模な自治体ならまとめてスキャンしてOCRにかける①か②の方法、小規模な自治体ならタブレットを利用する③の方法が良いでしょう。
したがってタブレットの配布も均等に配布するのではなく、①か②のオペレーションが難しい小規模な自治体に集中させると良いと思います。

紙の予診票から接種実績のcsvを作る準備

データのやり取りで河野システムにcsvをまとめて取り込むと説明しましたが、そのためには、
1,バイク便などを使った予診票・接種券の回収オペレーション
2,回収した予診票・接種券のOCR等での取り込み
が必要になります。
ここではこの2つの方法に簡単に触れておきます。

1,バイク便などを使った予診票・接種券の回収オペレーション

数十ある個別接種会場での営業終了後に、1軒1軒を回って予診票・接種券を回収していきます。
営業終了~クリニックから職員が帰宅するまでの1,2時間程度の間に回収しきる必要ので、昼休みの間しかワクチン接種をしないところは営業時間回収に行くなどのルートの工夫が必要です。

2,回収した予診票・接種券のOCR等での取り込み

50軒のクリニックで毎日10人接種をすると1日500回分の予診票・接種券が発生します。これを翌日までに入力するには、手作業では到底間に合いません。
そこで、予診票・接種券をスキャナを使ってpdfとして取り込み、それをOCRで自動読み取りすることが必要になります。

弊社では、LINE社と提携し予約管理システムと予診票の読み取りに最適化されたOCRを合わせて提供することが可能です。
下記に、LINE OCRの流れをキャプチャで掲載します。

1,スキャンしたpdfファイルをOCRシステムの管理画面からアップロード
2,読み取られた下記フィールドの情報を確認
3,予診票・接種券ごとに1枚ずつ読み取り結果がシステムに取り込まれる

最後にcsvでDLして、変換前の接種実績csvを作成します。
詳しい資料や料金プランはお申し込みいただいたパートナー企業にお問い合わせください。

『ワクチン接種記録システム』(河野システム)の全貌まとめ

政府が急遽、『ワクチン接種記録システム』の構築に動いたのは大英断だと思います。
これによって転入・転出時に混乱を防げるだけでなく、
接種人数・スピード・地域などの情報がほぼリアルタイムに取得できることで、感染拡大との相関など迅速に効果を評価できるようになるからです。

そして、下記の国会答弁にあるようにこれらの費用は国が負担することになりますので、既に予算が確定している自治体も費用面の心配は不要でしょう。
まだ体制を構築していない自治体は、弊社サイシードにお問い合わせいただければ最適な方法をご提案します。

国会答弁:河野大臣 ワクチン接種ではバーコードやOCRを活用し、国が負担
代表 中村
弊社でも政府のスピードに遅れないように仕様の検討・開発、および情報提供を引き続き行ってまいります。

見積もりが必要な方は、こちらのフォームよりお問い合わせください。
>>ワクチン接種予約システムの予算お見積りフォーム

(参考資料)
(河野システム自治体向け資料)ワクチン接種記録システム構築の目的 令和3年2月17日
(河野システム自治体向け資料)FAQ 令和3年2月25日

『コロナワクチン接種予約管理システム』に求められる仕様一覧

ワクチン接種予約管理システムでは、迅速かつ安全に接種を進めていくために、細かい多くの要件が必要です。自治体独自で考慮し切るのは難しいと思うので、ぜひ弊社の予約管理システムの仕様書を参考にしてみてください!

『WeChatミニプログラム』の2020年度版最新開発事例集

日々変わる情報と様々な予約システムがある中で、ワクチン接種を円滑に進めるためにはどのような要件が必要なのか?
・ワクチンの使用に合わせた予約制限
・政府発表の接種管理新システム(通称、河野システム)との連携
・コールセンターと接種会場での権限分け
など、円滑な接種体制構築に不可欠な仕様一覧をお伝えします。