【2023年1月】おすすめのFAQシステム9社を徹底比較!16種類の機能に分けて性能を定量評価

最終更新日:2023年1月10日
FAQシステムは、顧客が持つ疑問や不明点について、顧客自身が解決することを促すためのツールです。カスタマーサポートセンターの負担削減や顧客満足度の向上を見込むことができ、近年注目されつつあります。
そこでこの記事では、日本で事業展開しているFAQシステムベンダーを16種類の項目で点数付けし、それぞれのツールがどのような特徴を有しているのかを比較・ご紹介いたします。
「すぐにでもFAQシステムを導入・構築したい!」という担当者様や、
「導入は来期以降になってしまうけど、今のうちから情報収集しておきたい・・・」という方であれば、サイシードが作成した『FAQシステムベンダー』徹底比較集をご活用ください。
この記事の目次
FAQシステムを比較する際の評価基準について
まずは本記事を作成するにあたり、合計9社のFAQシステムを比較するために活用した評価基準についてご説明します。
FAQシステムを使用用途で3種類に分類
まずはFAQシステムを3種類に分類し、使用用途別に比較できるよう調整しました。
- 一般ユーザー向けFAQシステム
- コールセンターのオペレーター向けFAQシステム
- 社内問い合わせ向けFAQシステム
1, 一般ユーザー向けFAQシステム
企業ホームページやECサイトなどに導入されるFAQシステムです。自社の商品やサービスを購入・検討しているユーザー向けに設置され、ユーザーの疑問を素早く解決することや、ユーザーニーズをくみ取るために活用されます。

2, コールセンターのオペレーター向けFAQシステム
オペレーター向けのFAQシステムは、電話応対するオペレーターのマニュアル検索を支援する役割を担います。
基本的な機能FAQ検索に加え、CRMとの連携など各社のオペレーションに合わせて自在にカスタマイズできるように設計されている商品が多いです。
3, 社内問い合わせ向けFAQシステム
社内問い合わせ向けFAQシステムは、社内で使用しているシステムや、社内手続きに関する問い合わせ業務を効率化するために導入されます。
社内ヘルプデスクへの電話やメール数を削減する役割を担っており、昨今の働き方改革やDX推進の中で急速に利用が進んでいます。
今回は、一般ユーザー向けFAQページを対象に、各サービスが導入されている実際のサイトで検証し、FAQシステムを比較していきます。
FAQシステムに搭載されている16項目の機能を評価・比較
次に、FAQシステムに搭載されている機能のうち、主要な16項目の機能をピックアップした上で、その機能性を評価・比較しました。
AIに関連する4つの機能
まずはFAQシステムの性能に大きく関わる、AI(人工知能)に関連する機能の評価基準についてお伝えします。
1, 自然文検索機能
FAQシステムへ自然文を入力した結果、検索意図が正しく反映されているかどうか、点数付けします。

2, 検索語の表記ゆれ対策機能
次に、FAQシステムが表記ゆれに対応しているかどうかを評価します。
【表記ゆれの例】
・パワーポイント
・PowerPoint
・パワポ
人によって表現が異なる言葉を、同じ意味を持つ言葉として認識できるFAQシステムは非常に性能が高いです。表記ゆれをどれだけ対策できているかは、各ベンダーが開発しているAIエンジンによって左右されます。

今回は実際に9社のFAQシステムを試用した上で、表記ゆれにどれだけ対応できているかを点数付けしました。
3, 質問文のサジェスト機能
質問文・キーワードの入力中にリアルタイムでサジェストを提案してくれるFAQシステムは、ユーザーの満足度も高く、定着しやすいです。
この機能はAIのロジックを工夫しないと実現できません。したがって、AIの評価項目として採用しています。
4, キーワードサジェスト機能
1つのキーワード(タグ)を入力した際に、FAQシステムが関連するタグを適切に提示できているかどうかを評価します。

AI以外の12機能
次に、AIエンジンとは関係のないFAQシステムの機能を12種類に分類し、評価対象としました。
FAQシステムの性能はAIエンジンの性能と直結します。しかしながら、より使いやすいFAQシステムを選ぶためにはAI以外の機能性も評価付けしなければなりません。今回はAI以外の機能性もFAQシステムの使い勝手に影響する項目だと判断し、評価項目として採用しています。
5, PC/スマートフォンでのUI
FAQシステムがPCとスマートフォンそれぞれに最適化されたUIで利用できるかどうかです。
また 、ユーザーフレンドリーでわかりやすいかなどを判断基準としていきます。

6, 検索エンジンインデックス
FAQシステムがGoogleなど検索エンジンにインデックスされるかどうかも評価項目として採用しました。
検索エンジンへFAQページがインデックスされるFAQシステムでは、ユーザーがよりスムーズに疑問解決できるようになります。
7, キーワード検索の精度
FAQシステムにキーワードを入力すると正しく検索結果が反映されるかどうかを評価します。
8, 絞り込み検索機能
FAQシステムが、「カテゴリ名」×「自然文」などの組み合わせで絞り込み検索した際に、適切なページを表示できているかどうかを評価します。

9, FAQシステムのシナリオ分岐
回答が個別の条件によって変化する場合、シナリオ分岐で回答を絞っていける機能をさします。
この機能の有無により、複雑な質問への対応が可能かどうか決定するため、より正確なシナリオ分岐ができているかどうかを判断しました。

10, HPへの埋め込み機能
FAQの一部をモジュール化し、HPに埋め込むことができるかどうかを判断します。
11, FAQのピックアップ機能
よく聞かれる、見てほしい質問を予め表示させる機能があるかどうか判断します。
選択肢や質問文があらかじめ表示されていれば、回答の見つけやすさも向上します。今回は特にユーザビリティの側面から評価しました。
12, 関連FAQのサジェスト 機能
回答が解決しなかった場合に、最後の一粘りとして関連した質問を提示する機能です。
最初から候補を出せばよいのですが、意外とこのタイミングで解決することもあるので、あると便利です。

13, 画像やファイルの挿入機能
分かりにくい分岐や回答が存在する場合、動画や画像メディアなどを表示させることでよりユーザビリティが高まります。そのような機能があるかどうかを評価しました。
14, 回答内容への評価機能
回答に対して「役に立った」「役に立たなかった」などアンケートを実施できる機能が搭載されているかどうか評価しました。アンケート機能はFAQシステムの回答精度を向上させるために役立つため、必須です。

15, 意見記載欄の表示機能
FAQシステムが提示した回答について、ユーザーが自由に意見を記載できるフォームがあるかどうかを評価しました。ユーザーの声を直接聞くことができるため、AIの精度上げに一役買うでしょう。

16, フォームブロック機能
問い合わせ欄への記入時、該当するFAQを送信前に提示します。

以上がFAQシステムをを判断する16つの評価基準になります。次の章では、それぞれの機能の有無や優劣によって点数付けを行い、どのチャットボットが優れているかについてご紹介したいと思います。
FAQシステムの比較・採点方法
今回の調査では、さきほどご紹介した16種類の項目に対して5点または10点を満点と設定しました。
各項目ごとに、機能の有無や機能スペックを採点し、各FAQシステムには最大100点の評価が付きます。
要件種別 | 満点 | |
自然文検索 | AI | 5 |
表現のゆらぎの吸収 | AI | 10 |
質問文のサジェスト | AI | 10 |
関連タグのサジェスト | AI | 5 |
PC/スマホでのUI | システム | 10 |
検索エンジンインデックス | システム | 10 |
キーワード検索 | システム | 5 |
絞り込み文検索 | システム | 5 |
シナリオ分岐 | システム | 5 |
HPへの埋め込み | システム | 5 |
よく聞かれる質問 | システム | 5 |
画像やファイルの挿入 | システム | 5 |
意見記載欄 | システム | 5 |
フォームブロック | システム | 5 |
FAQシステム9社を比較!
使用する評価指標となる16項目をご紹介したところで、比較対象となった9種類のFAQシステムをご紹介します。
- アルファスコープ
- Oracle Service Cloud
- OKBIZ. for FAQ / Helpdesk Support
- FastAnswer2
- Sync Answer
- i-ask
- MatchWeb
- sAI Search
※各リンクからは、該当するFAQシステムの評価を詳細に確認することができます。ぜひご覧ください。
なお、本記事では「アルファスコープ」と「Oracle Service Cloud」2社の採点結果を掲載しています。
全ベンダーの採点結果を詳細に知りたい方は、 「2023年度版『FAQシステムベンダー』徹底比較集」 をご覧ください。
2020年1月末時点での検証結果となりますので、記事を閲覧いただいている時点では仕様が異なっている可能性があります。
また、調査対象としたサイトでは実装していない機能であっても、要望に応じて実装できる場合があります。詳細につきましては各ベンダーにご確認ください。
アルファスコープ

自然文検索も選択できる仕様となっていましたが、実際の使い勝手はキーワード検索のそれと大差ありませんでした。

とはいえ、カテゴリを絞った上でキーワード検索が行えたため、特別精度が低い、というわけでもなさそうでした。特徴として、他のサイトにはなかった「ワードクラウド」機能が搭載されており、キーワード検索に不慣れな方でも使い勝手が良さそうだと感じました。
Oracle Service Cloud

「盗難」と「盗まれた」が同じ意味として認識されなかったなど、表現の揺らぎがあまり吸収されておらず、低い評価となっています。
これは「自然文検索」といいつつも、入力文字列内の重要単語を抽出し、キーワード検索を行っていることが原因かと思われます。

一方で、カテゴリを限定しキーワードで検索を行う絞り込み検索機能が搭載されており、通常の検索に比べて、正しい回答に辿り着くことができた印象です。
その他のFAQシステムの比較結果については、下記記事か 「2023年度版『FAQシステムベンダー』徹底比較集」 をご活用ください。
- アルファスコープ
- Oracle Service Cloud
- OKBIZ. for FAQ / Helpdesk Support
- FastAnswer2
- Sync Answer
- i-ask
- MatchWeb
- sAI Search¥
FAQシステムを比較する際のポイント
次に、世の中に数多くあるFAQシステムについて、どのような観点から比較・検討すべきかそのポイントをご紹介します。
- FAQシステムの検索性能
- FAQシステム運用サポートの手厚さ
- FAQシステムのカスタマイズ性
昇順に、ひとつずつ見ていきましょう!
1, FAQシステムの検索性能
まずはFAQシステムの検索性能がどれだけ高いか比較しましょう。検索性能はベンダーが利用しているAIエンジンの性能によって左右されます。
- 基本的な検索機能に問題はないか
- 自然文検索に対応できているか
- どれだけ表現のゆらぎを吸収できているか
- 単語や文章の入力中にサジェストが表示されるか
- タグ検索機能など、便利なオプション機能が実装されているか
2, FAQシステムの運用サポートの手厚さ
次に、FAQシステムを導入した後の運用サポートの有無やその手厚さを比較しましょう。
FAQシステムの保守に関するサポートはもちろんですが、それよりも導入後のユーザー利用履歴を分析し、より効率よくFAQシステムが運用できるように改善案を提案するようなサポートがあるベンダーがおすすめです。
FAQシステムを導入しただけでは思ったような成果が出ない場合もあります。サービス利用ユーザーの行動を分析し適切なUIを提供するためにも、ベンダーによる手厚い運用サポートは必須だと言えます。
3, FAQシステムのカスタマイズ性
エンタープライズ企業にとっては、自社の運用や顧客情報に合わせてFAQシステムので事案や機能を変更できる点も重要になります。
例えば銀行やメーカーなど、異なる属性の人が使う可能性のある業界では、①FAQを出し分けたり、②それぞれのFAQを統合して管理出来たりなど、柔軟なカスタマイズが求められます。
その場合、FAQシステムをパッケージ販売しているベンダーではなく、スクラッチ開発にも対応できるベンダーを選ぶべきでしょう。
サイシードの開発事例では「個人向けFAQ」と「法人向けFAQ」「オペレーター向けFAQ」を適切に出し分ける必要があったため、スクラッチ開発を行ったケースがありました。
FAQシステムの比較まとめ
本記事ではFAQシステム9社について比較検証した結果のうち、2社分だけご紹介いたしました。
本記事で採点した総得点数は当然FAQシステム選びの参考にしていただきたいですが、総得点数が高いツールほど、導入費用も高くなる傾向にあります。
自社でFAQシステムを導入検討されている方は、導入にあたって何を重要視するか今一度明確にした上で、検討していただければと思います。
残りの7社は、上で紹介した2社と合わせてDL資料に記載しているので、ぜひダウンロードしてみてくださいね!

FAQシステム9社の徹底比較レポート
計16項目から100点満点で評価・比較いただけます
とっても便利なFAQ システム。項目を細かく分けて比較してみました!チェックするポイントがお分かりいただけたらと思います!
続きはこちらのフォームから、「2022 年度版『FAQシステムベンダー』徹底比較集」をDLいただけます!
ベンダー比較・検討する際の参考として、ぜひご活用くださいね。