コールセンターにおける占有率とは?適正値を保つ2つのコツ
この記事の目次
占有率の適正値とは?
占有率とは、オペレーターが業務時間のうち実際に顧客対応にあたっていた時間を計る指標です。コールセンターの「忙しさ」を計測することができ、業務の改善を図るうえで押さえておくべき重要な指標です。
占有率の許容範囲は 一般的には76~87%程度が目安と言われています。
では占有率はどのように求めるのでしょうか?
占有率の計算方法
占有率の算出方法は
(通話時間+保留時間+後処理時間)÷(通話時間+保留時間+後処理時間+受付可能時間)×100
となります。
計算式からもわかる通り、占有率は受付可能時間が長いと下がり、 受付可能時間が短いと上がります。
つまり、占有率が高すぎると待機の時間が殆どなく電話を取り続けている状況を示しており、低すぎる場合は人材が余っておりシフト管理が上手くいっていない状況を示します。
占有率は、高すぎても低すぎても問題があることになります。
占有率と稼働率の違い
ここで、占有率と並んでコールセンターで用いられる指標 に「稼働率」について解説します。この2つはよく混同されますが別物になります。
稼働率は、オペレーターの勤務時間(給料が発生している労働時間)中の顧客対応時間と電話を待つ、待機時間の割合を示す数字です。稼働率と占有率は待機時間を入れるかどうかが相違点となります。
稼働率
オペレーターが勤務をしている時間内にどれだけ実務を行っているか把握するための指標
稼働率の算出方法:(通話時間+保留時間+後処理時間+受付可能時間)÷(給与時間)×100
占有率と稼働率を合わせて分析してみよう
稼働率を分析することで、オペレーターが勤務時間のうちどのくらい対応時間にあてているのかがわかります。しかし、稼働率は受付可能時間(待機時間)を含んでいるので、実際に顧客対応業務にあたっている時間がわかりません。そこで占有率を組み合わせて分析してみましょう。
占有率も稼働率も高い。これはどのような状態をあらわしているのでしょうか?
まず、稼働率が高すぎるということは「業務量に対してオペレーター人数が不足している状態」を表しています。
では、占有率についてみてみます。占有率が高すぎるということは「待機の時間が殆どなく電話を取り続けている状態」を表しています。
この2つの結果から導き出されるつまり現場の状況は…
オペレーターが対応できる量を超えた入電があり、絶え間なく対応している
という状況になっていることを示します。最低限の休憩時間以外、研修なども行えていないと見て取れます。早急に対応する必要があります。
次は占有率が低いが稼働率が高い場合を見てみます。
占有率と稼働率を合わせることで、オペレーターが顧客対応業務にあたっているうち待機時間が長くなっていることがわかります。待機にあてている時間を研修などにあてるなどの運用ができそうです。
このように2つを合わせて分析することにより細かな現状把握ができるようになります。
占有率が高すぎると、オペレーターの待機時間が殆どないことを意味します。この状態は、オペレーターのストレスや疲れがたまっており、ミスが発生しやすく顧客満足度の低下に繋がりやすい環境になっていることを示します。
また占有率が低すぎると、人が余っている状態を示します。
では、占有率を適正値で運用するコツは何でしょうか?
適正値を保つ2つのコツ
1.人員配置を見直す
占有率が高すぎたり低すぎたりする場合は、人員の配置を見直すことをお勧めします。これは単に人を増やしたり減らしたりということではなく、入電の予想を立て、それを踏まえてシフトや休憩を組むということです。
2.オペレーターのスキルを上げる
オペレーターのスキルが向上すれば、対応がスムーズになります。研修などの時間を作りスキルアップを目指すのがおすすめです。またマニュアルを見直し、オペレーターの後処理時間をスムーズにしたりすることも有効です。面談などで意見を交換するなどオペレーターが働きやすい環境を作りましょう。
コールセンターにおける占有率のまとめ
占有率は、コールセンターの「忙しさ」を計測することができ、業務の改善を図るうえで押さえておくべき重要な指標です。稼働率や応答率を合わせ分析することで、細かい現状把握ができ、浮き上がった問題に対処できるはずです。
占有率を計算するためには、オペレーターのステータスをきちんと管理する必要があります。正確に把握するためにはITシステムを導入することをおすすめします。 興味がある方は調べてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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