コールセンター

コールセンターにおける理想の稼働率とは?

コールセンター業務において、稼働率を管理することは、業務改善や人件費コストの削減、顧客満足度の向上へとつながります。

しかし、稼働率の管理とはどのようにすればいいのでしょうか?
この記事では

  • 稼働率とは
  • 稼働率の適正値
  • 稼働率の計算方法
  • 稼働率と占有率の違い
  • 稼働率を適正管理するための4つのコツ

について解説していきます。

この記事の目次

高すぎてもダメ!稼働率の適正値

稼働率とは

稼働率とは、オペレーターの勤務時間のうち実際に顧客対応業務にあたった時間の割合です。
稼働率が高ければ、オペレーターは効率的に顧客対応ができている状態だと言えます。

しかし、ここで注意が必要です。

稼働率は、高ければ良いというわけではないのです。

稼働率の適正値とは?

コールセンターの国際的品質保証規格(COPC  CX規格)では、稼働率の指標値を86%と定義しています。日本のコールセンターでも、この規格に準じて稼働率の目標を80〜85%に設定していることが多いようです。

この目標数値より稼働率が高い場合、業務量に対してオペレーター人数が不足している状態を表しています。オペレーターが休む暇なく電話対応を行っていると考えられるため、オペレーターに負担がかかっており、この状態が続くと疲労やストレスなどにより、顧客対応品質の低下が起こりやすくなります。また離職へと繋がりかねません。

稼働率が低すぎる場合は、オペレーターの数が多すぎたり、 業務に関係のない作業が多すぎたりと正しく運営をマネジメントできていない状態を示します。

目安としては、下記が一般的と言われています。

  • 70%未満が人員配置見直しライン
  • 80%~85%が目標ライン
  • 85%~90%が注意ライン
  • 90%以上が危険ライン

稼働率は高すぎず、低すぎず、 適切なラインを遵守することが重要と言えます。では、その値はどのように計算するのでしょうか?

稼働率の計算方法

コールセンターでの稼働率の算出方法は

(通話時間+保留時間+後処理時間+受付可能時間)÷(給与時間)×100

で求められます。
業務時間に当たらない休憩時間などは除いて計算する必要があります。

1日ごとの稼働率は状況によって変動します。 ミーティングや研修が多く入ってしまうと対応時間が短くなるので、稼働率は低下します 。また現場に新人さんが多かったりすると稼働率は下がる傾向にあります。

日ごとの稼働率だけではなく、月間での稼働率も算出し、現状を把握することが望ましいと言えます。

稼働率に関連するKPI

占有率とは

稼働率とよく混同される指標に「占有率」があります。この2つはまったくの別物になります。

占有率とは、オペレーターが業務時間のうち実際に顧客対応にあたっていた時間を計る指標です。

算出方法:(通話時間+保留時間+後処理時間)÷(通話時間+保留時間+後処理時間+受付可能時間)×100

稼働率と占有率の違い

稼働率は、労働時間全体から顧客対応業務にあたった時間の割合を算出する指標です。
占有率は、顧客対応にあたっていた時間が効率的なのかどうかを把握するときに使います。

占有率の許容範囲は 一般的には76~87%と言われ、稼働率と同様、高すぎても低すぎてもよくありません。適切なラインを遵守するようにしましょう。

▼関連記事:コールセンターにおける占有率とは?適正値を保つ2つのコツ

応答率とは

応答率とは、着信に対してオペレーターが実際に対応できた件数の割合のことを指します。
応答率が低い場合は、着信件数に対しオペレーターの人数が足りておらず顧客の不満が溜まりやすい状態だと言えます。

算出方法 :対応件数÷着信件数×100

▼関連記事:コールセンターにおける応答率とは?~計算方法と改善方法~

稼働率・占有率・応答率は組み合わせて分析しよう

稼働率、占有率、応答率は組み合わせて分析することで、より細かな状況把握が可能になります。
例えば「稼働率・占有率が高いが応答率が低い」場合は、オペレーターが入電の集中などにより対応できていない状況を表します。
また「稼働率・占有率が低くく応答率が高い場合」は、オペレーターが余っている状態だというのがわかります。

このように組み合わせて分析することでコールセンターの状況を把握しやすくなり、問題に対処しやすくなると言えます。

稼働率を適正管理するための4つのコツ

コールセンターの稼働率を適正に保つにはどうすればいいでしょうか。適正な管理をするための4つのコツを紹介します

1.オペレーターの人数調整を行う

まず1つ目のコツは、入電数に応じてオペレーターの人数調整を行うことです。月ごと・日ごと・時間ごとなどに入電数を細かく分析し、入電数の予測に基づいてオペレーターのシフトを組みたてましょう。

2.待機時間を有効的に活用する

コールセンターでは、1日のうちでも電話が集中する時間帯もあれば落ち着く時間帯もあります。入電数の少ない曜日や時間帯を分析できていれば、その時間に研修や面談や教育を行うなどの時間に活用することがおすすめです。 顧客対応以外の時間を設けることでオペレーターのリフレッシュやモチベーションアップにつながります。

3.オペレーターのステータス管理

正しく稼働率を算出するためには、オペレーターのステータスを正確に把握することが必要です。ルールを決めて全体で共有し、入力を徹底するように呼び掛けましょう。
ただし、あまりにも細かくステータスを設定してしまうと、オペレーターの手間となってしまい、入力が煩雑になってしまうこともあるので注意しましょう。

4.忘れちゃいけないオペレーターへの心配り

高い稼働率が続いてしまうと、オペレーターのストレスや疲労を蓄積してしまいます。体調不良や離職に直結する大きな課題となってしまいますので、 オペレーターのストレス軽減のため対策は積極的に行うようにしましょう。

コールセンターの稼働率まとめ

稼働率はコールセンターにとって重要な指標です。
稼働率だけではなく、占有率や応答率などさまざまなKPIを同時に管理しながら運営することで生産性の向上が測れるのではないでしょうか?

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