コールセンター

VOCとは|コールセンターに寄せられた顧客の声を経営に活用する方法

最終更新日:2022年7月26日

サイシード

こんにちは。サイシード代表の松尾です。企業にとって貴重な顧客との接点の一つである問い合わせ対応。その代表的な方法が、電話による問い合わせです。企業のコールセンターには毎日貴重な意見がたくさん寄せられます。実は近年、企業間の競争が激化する中で顧客の意見をどう生かしていくかが企業存続のカギとなっており、コールセンターの在り方も変わろうとしています。今回の記事では、顧客の意見を活かして業務改善を目指す「VOC活動」について、これからのコールセンターに求められている姿も踏まえてお伝えしていきます。是非参考にしていただき、自社のコールセンター業務を見直してみてはいかがでしょうか。

VOCとは、顧客満足度を高めるために活用される情報です。

新商品の開発やサービス品質向上などの分野において、顧客満足度を高めるための手助けとなります。VOCを経営に生かす方法や、業務効率化のヒントをご紹介します。

この記事の目次

価値ある声を見つける!VOCとは?

VOCは、Voice Of Customerの略称で「お客様の声」を意味します。コールセンターへの問い合わせ内容やクレーム、アンケートに寄せられる意見・感想などがVOCにあたります。

近年では、インターネットの普及によって、さまざまな手法でVOCを入手できるようになりました。代表的な入手経路として、チャットボットによる問い合わせ応答や、FAQツール、アンケートフォームなどが挙げられます。

なかでもコールセンターは、商品・サービスに関する問い合わせや意見、クレームなどが多く寄せられます。膨大なVOCのなかから価値ある声を見つけて、応対品質の向上やカスタマーサポートの拡充を図るためには、データ分析が必要です。

VOC活動によって生じるメリット

VOCという顧客からの生の声を収集すると、さまざまなメリットがあります。顧客が求めていること、分からないこと、困っていることなどをVOCとして把握することで、自社の課題や改善点を把握できるようになります。

ここからは、コールセンターでVOCを活用するメリットを紹介します。

問い合わせ数を削減できる

VOC活動によって、コールセンターへの問い合わせ数を削減できるメリットがあります。

コールセンターへの問い合わせを減らすには、電話に至る前に解決を促す施策が必要です。VOCを活用して、問い合わせ頻度の高い内容を積極的にFAQや自動音声対応に登録することで、顧客自身で問題を解決できる仕組みを構築できます。

また、さまざまな意見や疑問、問題点を蓄積して分析することで、顧客の声を反映したFAQを構築できるようになり、カスタマーサポートの品質向上にもつながります。

顧客の属性・傾向・ニーズを深く把握できる

VOCには、顧客の年齢や性別、購買履歴などの情報も集まります。これらのデータを蓄積・分析することで、顧客の属性ごとのニーズや傾向を把握できるようになります。

その結果、自社商品・サービスの購買層に向けて、適切なマーケティング活動を実施できます。新しいサービスの方向性を決める手助けにもなるでしょう。

応対品質改善による顧客満足度の向上

コールセンターには多くの担当者が在籍しているため、応対品質にばらつきが生じやすいといった課題があります。

経験の浅い担当者の道しるべとして、問い合わせ実績をまとめたFAQ検索の導入が有効です。対応中に分からないことがあった場合に、リアルタイムでFAQ・チャットを活用できるため、応対品質の向上・均一化が期待できます。

また、迅速な回答・提案が可能になることで、一件あたりの対応時間が短縮され、一次対応率の向上にもつながります。このように、VOC活動を通じて応対品質を向上できれば、顧客満足度の向上にもつながります。

コールセンターにおけるVOCの収集方法

VOCを集める手段の一つとして、コールセンターが挙げられます。

ここからは、コールセンターにおけるVOCの収集方法を解説します。

電話・メール・チャットから収集

電話の内容をコールログとして入力・収集する方法があります。手作業や音声認識ツールを使ってデータを収集します。問い合わせメールやチャット対応については、テキストデータをそのまま集約することでVOCを蓄積できます。

ユーザーアンケートから収集

コールセンターの問い合わせ後に、顧客の登録メールアドレスなどにアンケートの依頼を送信することが可能です。このアンケートを通じて、オペレーターやサポートセンターの評価を収集できます。

VOC収集に役立つツール

VOCの収集には、さまざまな労力がかかります。

特に電話のコールログは、顧客からの問い合わせ内容をテキストデータに変換する必要があります。オペレーターがシステムに手入力する場合には、データ入力に時間がかかるため、受電率が低下してしまう可能性もあります。

音声データを効率的に変換して、有効な情報として蓄積・管理するためには、ITツールの活用が有効です。

『sAI Voice Analyzer』は、音声データを自動でテキスト化したり、顧客の個人情報を削除したりすることが可能です。

テキスト化された情報をもとに、VOCを要約・分類して、本当に必要とされるFAQデータを収集できるようになります。また、問い合わせが多い質問を抽出することで、問い合わせ内容の可視化・課題分析が可能になり、オペレーションの改善策を講じられます。

VOC活動の流れ・手順

VOC活動をスムーズに進めるための手順をご紹介します。

VOC活動の目的を明確に決める

VOCを収集する際は、事前に目的を明確化しておくことが重要です。

コールセンターで収集できるVOCの内容は多岐にわたるため、目的を決めずに情報収集を始めると、有益な情報を役立てることができません。

たとえば、新商品・サービス開発のヒントを得たいのであれば、現行製品やサービスへの不満・改善要望などの声が重要なデータとなります。何のためのVOC活動をするのかを定めたうえで、用途に合ったVOCを収集しましょう。

目的に合わせたチャネルの選定

VOCは、電話・メール・チャット・アンケートなどのさまざまなチャネルで収集できます。情報収集の目的に応じて、チャネルを選定することがポイントです。

たとえば、オペレーターの応対品質向上を図ることが目的の場合は、問い合わせがあった顧客に対して、後日アンケートを送付するといった方法があります。必要な情報が集まりやすいチャネルを選定して、効率よくVOC活動を展開しましょう。

VOC専任の人員を配置

VOC活動を効率的に進めるためには、専任の人員を配置することが有効です。

コールセンターのSVやマネージャーは非常に忙しく、VOC活動まで手が回らないことも少なくありません。また、情報を整理して管理・分析する作業には、電話対応とは異なるスキルやノウハウが求められます。

コールセンターの現場に業務負荷をかけないためにも、社内でVOC活動の専任チームを発足するとよいでしょう。

ツールによる分析

VOC分析には、ツールの利用をおすすめします。

音声認識や分析ができるツールを用いることで、分析にかかる時間と労力を削減できるほか、VOCのカテゴライズや課題抽出がしやすくなります。

コールセンターで使っているCRM(顧客管理ツール)と連携ができるツールなら、客層やニーズに合わせた分析が可能です。

PDCAサイクルを回す

VOC活動を始めたら、PDCAサイクルを回すことが欠かせません。

PDCAサイクルとは、業務管理や品質管理を継続的に行うためのフレームワークです。

Plan計画VOC活動の目的や収集項目を決め、チャネルを選定
Do実行VOCを収集・分析し、目的に合わせて活用
Check評価活用後、目的を達成できたか評価
Action改善評価を元に、計画の練り直し

顧客のニーズや困りごとは、時代の流れや提供するサービスによって変化します。

顧客の声を常に取り入れつつ、応対品質の向上、サポートの拡充につなげていくためには、PDCAサイクルを回して、VOC活動を継続することが大切です。

仕事が増える… VOC活動が抱える課題

VOC活動を進めるには、いくつかの課題があります。

ここからは、VOC活動の課題と解決策について解説します。

大量のVOCを集めても整理できない

ITの発達によって、大量のVOCが収集可能となりました。しかし、量が増えれば増えるほど、集めた情報の整理には手間がかかります。情報を有効活用するには、キーワードごとに適切に仕分ける必要があります。

大量のデータを整理するツールやノウハウがなければ、VOC活動は停滞してしまいます。適切な手法を選択して、効果を最大限に得られる工夫が必要です。

人的リソースの不足

人的リソースの不足は、VOC活動の課題の一つです。VOC活動を進めることで、コールセンターの業務効率化が期待できますが、忙しいコール業務の合間に、VOC活動を行うことは難しいケースも少なくありません。VOC活動の専属の人員を配置するために、自社の人材育成や新たな人材採用を検討しましょう。

VOCが絶対正しいのか?と議論を招く

VOCの結果に不信感や疑問点があると、活動が滞ります。

元となるデータの正確性や網羅性、分析方法の精密さなどは十分検討する必要があります。VOCを収集・分析する取り組みについては、幅広い部署からの意見や要望を取り入れて、社内の合意を得ておくことが重要です。

まとめ

VOCを活用して、顧客満足度を高める方法をご紹介しました。VOC分析には一定の労力やリソースが必要ですが、業務効率化や経営戦略に役立ちます。

Sciseedの『sAI Voice Analyzer』はコールセンターの業務効率化と対応品質向上に特化したツールです。最先端の技術で、従来の13%の時間で音声ログの分析が可能になりました。

今まで手をつけることが難しかった、コールセンターへの問い合わせの分析に大きく貢献します。コールセンターでの問い合わせ業務の効率化をお考えの方は、ぜひご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
こちらのフォームから、「sAI Voice Analyzer概要資料」をDLいただけます!
コールセンターの効率化を検討する際の参考として、ぜひご活用ください。

sAI Voice Analyzer概要資料

sAI Voice Analyzerは音声データをテキスト化し、問い合わせ内容を要約することで、コールセンターの効率化やFAQシステムの効果的な運用に活かしていくサービスです。また、あきらかになった課題をもとに、FAQ強化の提案やシステム導入、オペレーションの改善提案を実施します。こちらの資料では、機能・特徴・価格などのサービスの詳細について紹介しています。 音声データの分析を検討している方は、ぜひ検討いただければと思います。

資料をダウンロードする