第5回:導入したけど使われない!を回避する5つの工夫|チャットボットで失敗しないための必須知識
最終更新日:2022年7月28日
この記事シリーズでは『AIチャットボットの導入で失敗しないための必須知識』と称して、 これからチャットボットの導入を検討されている方に必ず知っておいて欲しい知識をご紹介いたします。(全5回)
チャットボットについて詳しくない方でもわかりやすいよう、前提となる知識からご紹介いたしますので、ぜひ順を追って5回まで閲覧いただければと思います!
- 第1回:FAQシステムとAIチャットボットの使い分け方
- 第2回:AIチャットボット導入の主な失敗要因はこれ
- 第3回:AIチャットボットは自動で賢くなりません!担当者がハマる落とし穴
- 第4回:AIチャットボット導入後のメンテナンス作業はこんなに大変です汗
- 第5回:導入したけど使われない!を回避する5つの工夫
さて第5回では、「導入したのにチャットボットが使われない!」という状況を回避するための5つの施策についてご紹介します。
この記事の目次
チャットボットで失敗しないための5つの工夫
まず何よりも重要なこととしては、チャットボットやFAQシステムを導入することを組織全体のプロジェクトとして捉えることが挙げられます。
第3回、第4回目の記事でもご紹介した通り、チャットボットやFAQシステムは「一度導入すればどうにでもなる」ような類のツールではなく、定期的なメンテナンス作業が必要です。
定期的なメンテナンス作業のためには、複数名の人員とそのリソースが必要不可欠となります。次の図を見てください。
たとえば社内問い合わせチャットボットを導入する場合なら、普段問い合わせを受けている人たちからどのような質問が多いのか吸い上げる必要がありますね。
ナレッジオフィサーである担当者は、現場からのナレッジ(意見)を適切に集約し、FAQに整理し、チャットボットを構築していきます。
一度完成したチャットボットは、インフルエンサーやキーマンと言った社内での影響力がある人物に周知してもらい、利用者を増やします(社外向けのチャットボットを構築する際もおおむね同様の組織体制を取ります)。
上記がチャットボット運用の概要となりますが、なんとなくイメージが伝わりましたでしょうか。
ここからは、上記図解を利用しつつさらに詳しく解説していきます。
1, チャットボットの存在を利用者に告知する
まずは導入したチャットボット・FAQシステムの存在を利用者に告知する必要があります。どんなに高性能なツールを導入しても、その存在を知られなければ利用されることはありません。
社内向けチャットボットなら社内メールや全体定例などの機会を活用します。社外向けチャットボットなら自社HPのお知らせ欄・メールマガジンなどを通じて利用者へアピールしましょう。
このとき、率先してチャットボットの利用促進を行う「インフルエンサー」や「キーマン」の役目を果たす人物が重要です。役職者がトップダウン形式でチャットボットの利用を促すことなどが有効です。
2, チャットボットを設置する場所を分かりやすくする
チャットボットの告知と同様、設置場所をわかりやすく工夫することも大切です。
下記画像は女性向けファッションECサイトマガシークの事例ですが、お問合せページの右下にナビゲーションを置いたり、コンシェルジュを想起させるキャラクターを設定することで、利用者が直感的に問い合わせできるようになっています。
HPのトップ画面、問合せページ、ユーザーがよく見るページなど主要なページにわかりやすく設置しましょう。
3, どんな回答をするチャットボットなのか、正しく利用者に認識してもらう
次に、利用者が正しく利用できるよう、チャットボットがどのような種別の質問に対する回答を行うのか、認識してもらう必要があります。
上記画像では「果物(リンゴ)の名称を知りたい」という利用者の問いかけに対して、野菜チャットボットが「トマトです」と返答してしまっています。
これはチャットボットの対応範囲が “野菜” であり、利用者が対応範囲外の質問をしてしまっていることが原因です。
チャットボットには果物の名称が登録されていない(回答がない)ため、似たような野菜であるトマトだと返してしまっています。
当然、利用者が期待したような回答でないことは明らかです。
チャットボットを初めて利用したとき、期待した回答を得られない場合は、利用者は2度とチャットボットに質問しなくなります。
だからこそ、チャットボットがどのような業務範囲に対応しているのかを適切に利用者へ伝えることが重要なのです。
下記導入資料でも紹介しているエイチアールワン株式会社の例では、「年末調整チャットボット」と対応スコープを明確にしたチャットボットが問い合わせ数を減らし、受電率が100%になるまで改善できました。
チャットボットの対応範囲を絞り切ったことの好例ですので、この機会にぜひ資料ダウンロードしていただき、内容をご確認ください。
4, 利用データをもとに、FAQをブラッシュアップする
次に、チャットボットがより便利なツールとして利用され続けるよう、利用データをもとにFAQを改善・ブラッシュアップしていきます。
FAQの改善方針は大きく3種類あり、①FAQの数を最適化するか、 ②回答文(A)を最適化することがあります。
FAQの数を最適化する
FAQの数を最適化する場合、FAQを増やすか、FAQを減らすか、さらに2方向の施策に分かれます。
FAQを増やす施策は、利用者からチャットボットに登録されていない問い合わせが多く寄せられる場合に行います。サイシードでは初回のFAQ作成・開発にもっともリソース割くため稀な例ではありますが、緊急性・季節性の高い問い合わせが新たに生じた際などに追加するケースがあります。
FAQを減らす施策は、「FAQが多すぎてヒットしすぎてしまうため、回答到達率が低い」場合に行います。
あくまでも利用データをもとに意思決定することが前提ですが、問い合わせ数が多いFAQを残し、少ないFAQを削っていくケースがあります。
回答文(A)を最適化する
場合によっては、回答文(Q)を最適化するだけでチャットボットの成果が改善されることもあります。
チャットボットには「回答到達率」「解決率」などの指標があり、後者の数値が低い場合には、回答文をリライトして改善を試みます。
5, 電話からFAQシステムに誘導する
電話で問い合わせをしてきたユーザーに対して、IVR(自動音声)でAIチャットボットやFAQシステムの案内をし、システムの利用を選択したユーザーにSMSでURLを送付することもできます。
特に、コールセンターの電話番号が既に広く知られてしまっている場合に有効です。
社内問い合わせに向けのチャットボットであれば、社員が甘えて今まで通り電話での問い合わせをしてしまうことも少なくないです。
そこで、電話を受けても「FAQシステムで検索して、わからなければ電話してください」と突き返すような、オペレーション面での工夫を行います。
チャットボットで失敗しないための必須知識まとめ
以上、AIチャットボットやFAQシステム導入後にユーザーに使ってもらう5つの工夫を紹介しました。多くの人にシステムを使ってもらうためには利用促進の努力は不可欠です。本記事がシステムの利用促進に役立つと幸いです。
ここまで全5回にわたってチャットボットで失敗しないための必須知識をご紹介しましたが、なにか得られるものがあれば幸いです。第1回~第4回までの記事をご覧になっていない方であれば、合わせてこちらからご参照ください。
- 第1回:FAQシステムとAIチャットボットの使い分け方
- 第2回:AIチャットボット導入の主な失敗要因はこれ
- 第3回:AIチャットボットは自動で賢くなりません!担当者がハマる落とし穴
- 第4回:AIチャットボット導入後のメンテナンス作業はこんなに大変です汗
- 第5回:導入したけど使われない!を回避する5つの工夫
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