LINEのAPI型公式アカウントを徹底解剖!顧客が”読みたくなる”情報発信の形とは?

最終更新日:2022年6月13日
顧客へのアピールをもっと身近に、もっと大々的に行いたい……
そうお考えの企業様にぴったりなマーケティング手法が、「API型LINE公式アカウント」によるチャットコミュニケーションです。
LINEは、2020年に利用率7割を超え(10-40代では9割以上!)、現在日本でもっとも普及しているSNSです。(※総務省『 令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 』)
今回は、LINEが提供している法人用アカウントの一種、「API型公式アカウント」について説明します。
また、記事の最後では「『LINEで動くWebアプリ』最新開発事例集」をプレゼントいたしますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!
この記事の目次
LINE公式アカウントとLINE@の違い
LINE公式アカウントとLINE@を大きく分けるのは「機能」と「価格」です。
機能は後述しますが、API型のLINE公式アカウントが現在提供されているほぼすべてのサービスを利用できるのに比べ、LINE@は安価での一斉配信に特化しています。
よりユーザーに多彩なアプローチを行えるのがLINE公式アカウントの強みですね。
しかし、それに伴ってコスト面も大きく変わってきます。
以下の図をご覧ください。

LINE@が無料での運用が可能であるのに対し、LINE公式アカウントは最低でも月額250万円のコストがかかります。
LINE@を利用するユーザーが中小企業や個人事業を想定されているのに対し、LINE公式アカウントはより大々的にプロモーションをかけたい大企業をユーザーとして狙っているのが価格帯によく現れていますね。
その分、LINE公式アカウントはLINE@ではできないアカウントへのアプローチ方法を備えています。
LINE@は店頭や他SNSなどを用いて地道に広報を行わなけばならない一方で、「スタンプ配信」や「友だち検索」からの流入など、LINEのプラットフォーム上でアカウントを周知できる強みがあります。
API型公式アカウントの主な機能
1.スタンプによる友だち獲得
公式アカウントでは、「スポンサードスタンプ」と呼ばれるスタンプストアの検索で出てくるスタンプを配信することができます。
2.メッセージの一斉送信
LINE公式アカウントを友だち追加した人全員にメッセージを送ることが出来る機能です。メルマガなどより開封率が高く、ユーザーにとって有益なメッセージを送信することで高い誘導効果が見込めます。
また、画像を用いた訴求効果の高い「リッチメッセージ」送信や、LINE上には収めきれない長文情報やクーポンなどを送ることができる「PRページ機能」なども利用できます。
3.タイムライン投稿
LINE公式アカウントの友だちのタイムラインへ、様々な情報を投稿することができます。ユーザーがその投稿に「いいね」や「コメント」をすることができるので、ユーザー同士のコミュニケーションの場としても利用することができます。
4.1:1トーク
通常のLINEと同じように1:1でコミュニケーションを取ることができます。
『Messaging API』と呼ばれる仕組みを利用すると自動でやり取りを行う、人工知能を組み込むことも可能です。
5.LINE連携
WEBサイトに登録している会員情報とLINEのアカウントを連携します。メールで届いていた通知をLINEで受け取れたり、LINEのトーク画面で商品の購入などが可能になる機能です。
その他の法人用アカウントについては以下の記事をご覧ください!
API型公式アカウントで使用可能なAPI
LINE上で様々な機能を実現するために、LINE公式アカウントではAPIというサービスを提供しています。
使用可能なAPIはアカウントごとに異なりますが、API型公式アカウントでは下記の3種類全てが利用できます。
1. Messaging API
メッセージのやりとりを行うためのAPIで、3つの主要機能があります。
1.Push message:一斉配信や、個別にメッセージを送信する機能です。
2.Reply message:ユーザーからのメッセージに対して返信を行う機能です。これにAIエンジンを組み合わせるとBotを作成することが出来ます。
3.Template message:リッチコンテンツや、カルーセルなどLINE上で使えるテンプレートメッセージを送ることが出来ます。
このAPIを使用することにより、アカウント利用企業と個人ユーザーとの双方向コミュニケーションが可能になります。
Messaging APIについて、詳しくは下記記事で説明しています。
2. Partner API
Mission Stickersという特定の条件をクリアしたユーザに対して、特定のスタンプを利用可能にする事ができるサービスです。このAPIが利用できるのが、LINE公式アカウントの特権です。
スタンプをユーザーに無料配布できることで、企業の認知度向上やブランディング醸成をねらうことができます。
スタンプについて詳しくは下記記事で。
3. Social API
LINEと自社サイトを連携するためのAPIで、3つの主要機能があります。
1.LINE Login:自社サイトに会員登録する際に、FacebookやTwitterのようにLINEアカウントでログインし、一部情報の入力が省略できる機能です。
2.Web API:サイトに登録した情報とLINEのアカウントを紐付けるための機能です。
3.友だち追加API:自社のLINEアカウントを、ウェブサイトでLINEログインしたユーザーの友だちに追加する機能です。
Social APIの活用により、企業サイトへの登録情報とLINE公式アカウントとの紐付けが可能になり、個々人に合わせたメッセージをLINEに送れるようになります。
顧客情報とLINEアカウントをリンク出来れば、顧客の購入履歴から判断して、購買に結びつきそうなセールの情報をメッセージで送ることが出来ます。
また、購入後のフォローも、顧客が使い慣れたLINEを使って行えるようになるため、満足度の向上に繋がります。
業績アップにも、コスト削減にも、発想次第で様々な使い方ができるのがLINE公式アカウントの強みと言えます。
LINE公式アカウント(API型)導入費用の目安
冒頭でLINE公式アカウントとLINE@の比較を紹介しましたよね。
LINE公式アカウント導入には実際にはどれほどのコストがかかるのでしょうか?
もし、アカウントをスタンプ付きで導入すると、以下のような金額の費用がかかることが予想されます。
・アカウント料金:月額250万円
・スポンサードスタンプ:3500万円(8種類、4週間掲載)
・開発費用:開発パートナー企業ごと
・配信メッセージ:1円/通~
仮にスポンサードスタンプを通して30万人の友だちを獲得したとして、 その人たちに週1回メッセージを送るとすると、年間で総額1億円ほどかかってくる計算になります。
API型LINE公式アカウント導入事例
ここでは、いくつかの有名な公式アカウントを例にとり、どのようなAPIを使っているかを説明していきます。
パン田一郎(リクルートジョブズ)

主な機能
1.カルーセル(横スクロール型一覧表示):Messaging APIのTemplate messageを使っています。リンクをクリックすることで、詳細が表示されます。
2.自動返信:パン田一郎に話しかけて返事が返ってくるのは、Messaging APIのReply messageを使っています。
ヤマト運輸

主な機能
1.アカウント連携:クロネコメンバーズに会員登録をし、その情報とLINEのアカウントを紐付けることで、通知をLINEで受け取れるようになる機能です。Social APIのWebAPIを使って、情報連携をしています。
2.お届け予定日、不在通知の配信:Messaging APIのPush messageを使って、個々人の荷物に関する通知を送っています。
まとめ
1.API型LINE公式アカウントでは、LINEにあるすべての機能を使用することができる
2. Messaging API、Partner API、Social APIのすべてが利用可能
3.スタンプや一斉配信を定期的に行う場合、利用コストは年間およそ1億円
API型LINE公式アカウントは、スポンサードスタンプによる友だち大量獲得ができるという、ほかの公式アカウントにはない特徴があります。
コストなどのハードルは高いですが、活用方法次第では非常に大きな効果を得ることができます。

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