コールセンターの平均処理時間(AHT)を短縮する方法と注意点
オペレーターが電話を受けてから後処理終了までにどのくらいの時間がかかるかを表す平均処理時間(AHT)は、一般的に短ければ短い方がいいとされています。
しかし、単純に短縮すればいいというわけではありません。平均処理時間(AHT)が短すぎると、応対品質が落ちてしまう可能性があるからです。
この記事では
- 平均処理時間(AHT)とは何か
- 平均処理時間(AHT)の計算式
- 平均処理時間(AHT)を測定するとわかること
- 平均処理時間(AHT)を短縮する方法と注意点
について説明していきます。
1.コールセンターにおける平均処理時間(AHT)とは?
平均処理時間(AHT /Average Handling Time)とは、通話開始から後処理終了までの顧客の対応にかけた時間の平均値のことです。 数値が短いほど一定時間内に多くの電話に対応できていることを表しています。
平均処理時間(AHT)は現状を把握するために重要な指標です。適切なKPIを設定することで応対品質改善や業務効率化に繋がります。
2.平均処理時間(AHT)の計算式
平均処理時間(AHT)は、平均通話時間(ATT)と平均後処理時間(ACW)という2つの要素から成り立っています。
平均通話時間(ATT) …オペレーターが顧客との通話にかけた時間の平均値
平均後処理時間(ACW)… 顧客との通話後の後処理にかかる時間の平均値
よって、 平均処理時間(AHT)は
平均通話時間(ATT)+平均後処理時間(ACW)
で求めることができます。
もしくは、 (総通話時間+総後処理時間)÷総処理件数)
平均通話時間(ACW)とは、顧客との通話後の後処理にかかる時間の平均値のことです。
平均通話時間(ATT)とは、オペレーターが顧客との通話にかけた時間の平均値のことを指します。通話終了後の後処理やシステム入力の時間は含みません。
つまり、 平均後処理時間(ACW)と平均通話時間(ATT)を合わせることで、通話開始から後処理終了までの顧客の対応時間の平均値である平均処理時間(AHT)を求めることができます。平均通話時間(ATT)や平均後処理時間(ACW)が長ければ、平均処理時間(AHT)も長くなるということになります。
数値が短いほど一定時間内に多くの電話に対応できていることを表します。

3.平均処理時間(平均後処理時間+平均通話時間)を短縮するメリットとは?
平均処理時間(平均後処理時間+平均通話時間)を短縮するとどのようなメリットが得られるのでしょうか?
例えば平均処理時間(AHT)が6分だった場合、1時間に10本の電話に対応することができる計算になります。オペレーターが5人いれば、50本の電話に対応できることになります。
ここで平均処理時間(AHT)を1分短縮できたとします。その場合、1時間に12本の電話に対応ができることになります。
つまり、より多くの電話に対応できることができ、生産性と効率性を向上させることができるということになります。
また、オペレーターが4人いれば1時間に48本の電話に対応ができることになるため、ほぼ1人分を削減できることになります。
少ない人数でより多くの電話に対応できることになり、 運営コスト削減に繋がります。運用面に目が行きがちですが、これは顧客にとっても大きなメリットとなります。
さらにオペレーターがより多くに電話に対応できるようになることで、顧客の待ち時間が減ります。対応が早くなることで顧客満足度の向上へと繋がるのです。
平均処理時間(平均後処理時間+平均通話時間)を短縮すると
- 生産性と効率性の向上
- 運営コスト削減
- 顧客満足度の向上
のメリットが得られるということになります。
4.平均処理時間(AHT)を短縮する方法と注意点
一般的には、平均処理時間(AHT)は短かい方がよいとされています。これは、運用面では、先述した通りにたくさんの電話に対応できるようになったり、コストを削減でき、顧客側からすると自分が欠けた電話への対応が早くなり、 待ち時間が減るなどといったメリットがあるからです。
しかしここで注意が必要です。平均処理時間(AHT)を短縮するには、平均処理時間(AHT)を構成している平均通話時間(ATT)と平均後処理時間(ACW)の短縮が必要になります。しかし、これはとても難しい課題であると言えます。
(1)平均通話時間(ATT)を短縮する
平均通話時間(ATT)はオペレーターが顧客との通話にかけた時間の平均値のことです。これを短縮するには、以下の方法があります。
通話時間を短縮する
平均通話時間(ATT)を短縮するには、まず通話時間の見直しが必要です。平均通話時間(ATT)は顧客との通話にかけた時間の中に保留時間を含みます。 保留の際のフローを見直すなど、保留時間はできるだけ短くすることを目指しましょう。
ただ、ここで注意が必要です。
平均通話時間(ATT)を短縮しようとしたあまり、電話対応が早口になってしまったり、説明が必要なものを飛ばしてしまったなど、コールセンターの対応の質が下がってしまっては意味がありません。 通話に対し目標の時間を設定するなど応対品質を下げずに改善することが望ましいと言えます。
社内FAQやマニュアルを見直す
平均通話時間(ATT)がなかなか短縮できない原因の一つとして、問い合わせてにすぐに回答できず、通話時間が伸びてしまうということが考えられます。
特に新人オペレーターは、回答を見つけるのに時間がかかったり、そもそも調べ方がわからなかったりといった理由で対応時間が長くなってしまいます。
社内FAQやマニュアルを見直し、オペレーターが対応しやすくなる環境づくりをすることで平均通話時間(ATT)の短縮へと繋げましょう。
▼関連記事:コールセンターにおける平均通話時間(ATT)改善のメリットとは?
(2)平均後処理時間(ACW)を短縮する
平均後処理時間(ACW)は、顧客との通話後の後処理にかかる時間の平均値のことです。 これを短縮するには、以下の方法があります。
後処理内容の最適化する
電話対応後、入力する量が多いと時間がかかってしまいます。また、項目がわかりにくく、考える時間が発生するなど無駄な時間がないかを確認しましょう。
オペレーターが入力しやすい画面作りをするなど、後処理の最適化を行いましょう。
オペレーターのタイピング速度を上げる
オペレーターのタイピング速度を上げることにより、後処理時間が短縮できます。タイピングが苦手なオペレーターには、タイピングソフトなどで練習をしてもらうなど待機時間を有効に使用しましょう。
▼関連記事:コールセンターにおける平均後処理時間(ACW)短縮のメリットとは?
コールセンターにおける平均処理時間(AHT)のまとめ
平均処理時間(AHT)はセンターの現状を把握するための重要な指標ですが、平均処理時間(AHT)の短縮を追求するあまり顧客満足度(CS)が低下してしまっては本末転倒です。
平均処理時間(AHT)を定期的に測定し、どちらかに偏ることなくバランスよく対策することが重要と言えるのではないでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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