コールセンター

コールセンターにおける評価制度の作成方法とは?注意すべき点と評価基準の参考例

コールセンターの評価について制度や基準を解説

最終更新日:2024年10月16日

このブログはコールセンター向けにAIを活用したソリューションを提供する、株式会社サイシードが作成しています。最新の事例や企業での活用方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

  • コールセンターってどのような評価指標を作るべきなの?
  • 不満の出ない評価制度の設定を考えるのが難しい

このように評価制度作りに悩んでいる方も多くいらっしゃるでしょう。
コールセンターの応対品質を評価するのは顧客のためですが、評価しようとすると定量化しにくい項目もあり難しく感じることもあると思います。

この記事では

  1. コールセンターの評価制度でやってはいけないこと
  2. コールセンターの評価基準の参考例
  3. コールセンターの評価についての事例

について説明します。

コールセンターの評価についてどのように作っていくのが良いのか、コールセンター の評価基準の参考例も含めてご紹介をしていきます。

評価を適切に設定することで応対品質も向上し、顧客満足度の改善のきっかけになりますので、ぜひご一読ください。

1.コールセンターの評価制度でやってはいけないこと

結論から言うと、コールセンター毎に目的やビジョンが異なり、これといった決まった評価制度はありません
一口に、コールセンターといっても多岐に渡りますし、評価制度はその現場ごとの現場に合わせて項目の設計をする必要があります。

また、具体的に評価項目を作り込んだ後も、運用をしながら定期的に項目の見直しをし、より現場にフィットする項目へと改善をしていくようにしましょう。

それでは、具体的にどういった点に注意して評価制度を作るべきなのでしょうか。

(1) 収益性が高いかどうかだけを基準にするのは間違い

評価制度を作る上で注目しがちなのは、コールセンターの収益性です。

しかし、収益性のみをコールセンターの評価にすることはお勧めできません。
収益性のみを判断にすると、顧客のことが二の次になる対応の仕方になってしまうためです。
対応時間を短くし、対応件数を増やしコールセンターの効率のみを考えるような空気を作り出してしまいます。

顧客の不満、悩みに寄り添って考えず、生産性のみを考えてしまうと顧客満足度が低下し、結果的に収益性の向上からは遠ざかります。
目先の利益のみを追い求めるのではなく、顧客満足度の向上を忘れてはいけません。

(2) 画一的な評価制度を作るべきではない

コールセンターで一つの枠にはめ込むような評価項目の設定はあまり適切ではありません。コールセンターの種類は多岐にわたります。

例えば、インバウンド型、アウトバウンド型、業務内容に関しても受注、問い合わせ受け付け、カスタマーサポート、ヘルプデスク、市場調査や営業サポートなどがあります。

それぞれで評価項目は異なりますし、企業のビジネスモデル、重要視する指針によっても異なります。
「どのような評価制度を作るべきなのか全く分からない」という方はサポートサービス業界の評価機関である「HDI」が定めた評価基準を参考にするのが良いでしょう。

ここからは、HDIが定める評価基準についてご紹介をしていきます。

2.コールセンターの評価基準の参考例

サポートサービス業界の評価機関であるHDIでは「クオリティ」パフォーマンス」に加え、「Webサポート」という3つのカテゴリーに分け、それぞれの評価項目ごとに審査します。

今回はお問い合わせ窓口であるコールセンターの評価のため「Webサポート」の項目の説明は割愛いたします。

ただし、

  • Webサポートとサポートセンターとが一貫したサービスを提供できるか
  • Webサポートの延長上にサポートセンターがあるか

といったWebサポートセンターとの連携は大切な項目ということは添えておきたいと思います。

HDIの評価基準について

  • クオリティ
  • パフォーマンス

を参考にできる部分がありますので、見ていきましょう。

(1) クオリティに関する評価項目

クオリティに関する評価項目としては以下の5つに分けられます。

【1.サービス体制 】
サービス体制が充実しているかを指します。顧客に協力的であり、敬意を払っているか。コールセンターに問い合わせれば悩み・不安が全て解決できるかどうかなどを見ます。

【2.コミュニケーション】
顧客としっかり相互コミュニケーションが取れているかを指します。顧客の悩み・不安に共感し心理的なニーズにも対応しているのか。また地域、文化、業種によって適切な対応をそれぞれ取れているかを見ます。

【3.対応スキル】
顧客対応をする人の能力を指します。相手の話を聞くのはもちろんのこと、話しやすくするため、話すペースや話し方を相手に合わせているのか。対応に自信を持っており、適切な対応をしているのかを見ます。

【4.プロセス/対応処理手順 】
対応の流れが適切な手順でできているのかを指します。対応が始まってから終わるまでの流れや、適切に転送や保留をしているのか。自部門での対象外のサポートに対しても代替案の提供など適切な対応が取れているかを見ます。

【5.困難な対応 】
難しい内容の問合せについての対応を指しています。怒り心頭の顧客に対し、真摯にお話を聞き、不適切な対応があった場合には、言い訳をせずに謝っているかなどを見ます。

(2) パフォーマンスに関する評価項目

パフォーマンスに関する評価項目は以下の5つに分けられます。

1. 平均応答速度
電話がつながるまでの時間を指します。どれだけ顧客を待たせずに対応できるかを見ます。

▼関連記事:コールセンターにおける平均応答時間(ASA)とは?サービスレベル(SL)との違いと改善するポイント

【2. 放棄率
問合せを諦めてしまう顧客の割合を指します。問合せまでに多くの時間がかかってしまうと、顧客は途中で問合せを放棄してしまいます。また途中で電話を切りたくなるほどの応対品質ではないかを見ます。

▼関連記事:ールセンターにおける放棄呼率とは?放棄呼が起こる原因と改善メリット

3. 対応時間
電話対応の時間を指します。顧客の悩み・不安を解決できる情報をどれだけ迅速に提供できるかを見ます。

▼関連記事:コールセンターにおける平均通話時間(ATT) 改善のメリットとは?
▼関連記事:コールセンターの平均処理時間(AHT)を短縮する方法と注意点
▼関連記事:コールセンターにおける平均後処理時間(ACW)短縮のメリットと注意点

4. 初回コンタクト解決率
初めてのお問い合わせでどれだけ悩み・不安が解決したかを指します。

▼関連記事:コールセンターにおける一次解決率の重要性とは?顧客満足度に直結する一次解決率の改善方法を解説

5. 顧客満足度
顧客の満足度を指します。製品およびサービスの満足度がどうなのかを見ます。

▼関連記事:コールセンターのCS(顧客満足度)を向上させるポイントを解説
▼関連記事:コールセンターにおける顧客推奨度(NPS) 改善の重要性とは?顧客満足度(CS)との違いと算出方法

3.コールセンターの評価についての事例

コールセンターの評価について、評価制度を作る際の注意点と一つの参考例としてHDIの基準を紹介しました。

コールセンターの状況に応じて異なるため画一的な評価基準をもけることができません。最終的に、自社のコールセンターの状況に応じた基準を考える必要があります。
ここでは最後に、具体的な事例をご紹介することで、評価制度を起案する際に参考にしていただきたいと考えています。
今回は通販企業のコールセンターのケースを紹介します。この通販企業のコールセンターでは以下の3つを評価項目に設定しています。

【1. つながりやすさ(サービスレベル、ASA、応答率)】
電話のつながりやすさを指しています。顧客が問い合わせた際に、どれだけつながったのか、どれだけつながるまでに時間がかかったのかを表しています。

【2. 対応の速さ・正確さ(一次完結率、ATT、ミス率、保留率)】
顧客が抱えている悩み・不安をどれだけ正確かつ迅速に解決できるのかを指しています。顧客満足度に直結する評価指標です。

【3. 非対面コミュニケーションの齟齬(モニタリング・スコア)】
電話越しでの会話になってしまうため、どれだけ細かいニュアンスが伝わるかを表した指標です。

上記は一例であり、全てのコールセンター に当てはまる評価軸ではありませんので、あくまで参考程度にしてください。

▼関連記事:コールセンターのモニタリングの効果とは?モニタリングの目的と応対品質の改善ポイントを紹介

まとめ

この記事ではコールセンターの評価についてご紹介しました。
コールセンターの評価指標は企業のビジネスモデルや重要視する指針によって、それぞれ異なってきます。
ただ評価指標を作る上である程度のフォーマットは存在するので、本記事がお役に立てれば幸いです。
また、どのような評価指標を用いようとも、応対品質を高め業務効率を上げることは本質的に重要な課題となります。そのためにはITシステムをうまく活用がすることが不可欠です。

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