FAQシステムにAIを搭載するメリットとは?|FAQシステムの載せ替え方・チャットボットとの違い
最終更新日:2022年8月2日
このブログはAIを活用したFAQシステム『sAI Search』を提供する、株式会社サイシードが作成しています。
最新の事例や企業での活用方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は、AIを搭載したFAQシステムは従来製品と比較すると何ができるのか?その導入メリットを詳しくご紹介していきます。
また、 AI搭載型のFAQシステム を選ぶ際のポイントや AI搭載型のFAQシステム に切り替える方法についても説明しています。
AI搭載型のFAQシステムとチャットボットの違いをいまいち理解できていない方はぜひ記事を一読ください。
また、記事の最後では 「高速高精度!次世代のFAQ検索システム『sAI Search』概要資料」 をプレゼントいたしますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!
この記事の目次
AI搭載型のFAQシステムができること
FAQシステムにAIを組み込むことでどのような効果が得られるのか、今回は下記3つのポイントに分けてご紹介します。
- FAQシステムが自然文検索に対応できるようになる
- FAQシステムが異なる表現の質問を、正確に判断できるようになる
- 信頼度の高い回答から順にFAQを提示できるようになる
1, 自然文で検索できる
FAQシステムにAIを組み込むことで、顧客が打ち込んだ自然文(単語ではなく文章から成り立つ検索キーワード)に対応できるようになります。
AIの自然言語処理能力を活用することで、FAQシステムは検索文全体を読み取ってその意図を汲み取ることができます。
顧客が疑問を解決したいと考えたものの、解決にたどり着くためのキーワードが明確にわからないといった状況を想定してみましょう。
この状況では、AIのないFAQシステムの場合そのキーワードにたどり着けず適切な回答を得ることができません。
しかし、AI搭載のFAQシステムであれば、顧客が自然な文章で検索するだけでAIが適切な回答を見つけ出します。
また、システム内に膨大な数のFAQが登録されている場合でも、AI搭載のFAQシステムであれば短時間で最適な回答にたどり着くことも可能です。
2, 異なる表現の質問も、正しく意図を捉えられる
AIを搭載したFAQシステムは、顧客検索キーワードの表現のゆらぎにも対応できるようになります。
【表現のゆらぎとは?】
表現のゆらぎとは、表現の異なる単語や文が同一の意味を持つことから発生する現象です。
・送金の手数料が知りたい
・振込手数料 いくら
・ゆうちょ銀行 手数料
以上3つの文章は全て同じ意味を持ちますが、表現が違いますね。
AIを搭載していないFAQシステムでは「表現のゆれ」を吸収できず、検索キーワードが完全一致・部分一致した場合にのみ情報を提示します。
一方でAI搭載型のFAQシステムであれば、人工知能が顧客の検索意図を理解するため、多種多様な顧客の検索キーワードに対して正確な情報を提示できるのです。
3, 回答を提示できる
一般的なFAQシステムは、キーワードが含まれている質問文の候補をそのまま候補としてそのまま表示します。
一方で、AI搭載のFAQシステムの場合、顧客とのFAQ対応の中で回答に対して自信度を付けていきます。
FAQシステムに搭載したAIが、自信度の高い回答を優先的に上位表示することで、顧客は最適な回答をより簡単に手に入れることができるようになります。
そもそも、AI搭載型のFAQシステムとAIチャットボットは何が違う?
ITツールベンダーとしてFAQシステムを開発・提供していると、お客様から「FAQシステムとチャットボットの違いがよくわからない」という相談を受けることがよくあります。きっと本記事をご覧の方も同様の疑問を抱いていることでしょう。
そこで本章では、AIを搭載したFAQシステムとチャットボットの違いをこれからツールを導入する事業者の目線に立ってご紹介します。
- 適切なFAQ数が違う
- サービスが対象とするユーザーが違う
- ツールから獲得できる情報が違う
1, 適切なFAQ数
AIを搭載したFAQシステムとチャットボットの違いのうち1つ目は、ツール利用に適切なFAQの総数にあります。
チャットボットはユーザーとの会話型UIで構成されており、より気軽にサービス利用してもらえるメリットがある一方で、一画面にユーザーへ提示できる情報量が少ないデメリットもあります。
FAQシステムでは一画面に多くの情報を表示可能です。したがって、FAQ数が300件を超えるようなサービスや、FAQが複雑に分岐するような場合であれば、AI搭載型のFAQシステムを導入するべきだと言えます。
【参考】
想定されるFAQ数が ・・・
・50件程度:AI非搭載のチャットボットで十分
・50件から300件程度:AI搭載型のチャットボットが必要
・300以上:AI搭載型のFAQシステムが必要
2, 対象とするユーザー
次に、FAQシステムとチャットボットは対象とするユーザーに違いがあります。
チャットボットはより気軽にサービス利用してもらいたい場合や、意見を取り入れたい場合に導入すべきシステムです。ユーザーが気軽にサービスへの質問/意見を投稿できるようにしたい場合や、UIにキャラクターを採用して親しみやすさを醸成したい場合に活躍します。
一方でFAQシステムは、より問題解決を重視する場合や、FAQ数が膨大な量の場合に活躍します。
ユーザーはサービス利用における疑問点をダイレクトにFAQシステムへ打ち込みます。問題解決意図がハッキリしているため、それをいかに解決できるかという点が重要です。
その他にも、コールセンターへ直接問い合わせが行く前に、FAQシステムをクッションとして置くことで業務効率化することもできます。
チャットボットとFAQシステムを検討する際には、「サービスを通してユーザーにどのような体験をしてもらいたいか」ということを明確にしておきましょう。
導入目的によってこれから導入すべき最適なシステムは大きく異なります。
3, 顧客から取得できる情報
3つ目の違いとして、FAQシステムやチャットボットを通して顧客から得られる情報に違いがあります。
チャットボットは会話型UIで提供されるシステムなので、ユーザーは「相談」や「サービスへの理解」に近しい文字列を打ち込みます。
それらの情報からはユーザーに潜在するサービス利用ニーズや、言語化できない細かい悩みを取得できるでしょう。
実際に弊社事例では次のようなことがありました。
【実際にチャットボットに打ち込まれた情報例】
①大手メーカーA社の商品に不備があり、一斉回収が実施された。
②大手メーカーB社のチャットボットに、次の文章が殺到した
・「B社の商品は大丈夫ですか?安全なの?」
・「商品の在庫/取り扱いはありますか?」
一方でFAQシステムは、「問題解決」の側面により重点を置いた形で使用されます。FAQシステムに打ち込まれる情報は、検索ニーズがハッキリしていたり、検索エンジンに入力されるようなキーワードであることが多いです。
したがってFAQシステムでは、サービスに対する端的な疑問やトラブルなど、問題解決のための情報を幅広く取得可能です。
自社で導入するシステムを検討する際は、先述の通り「想定されるFAQの総数」をベースに考えると失敗しません。FAQ数が50件から300件程度ならAI搭載型のチャットボットを、FAQ数が300件を超えるならAI搭載型のFAQシステムを導入すると良いでしょう。
【導入相談会】
サイシードではチャットボットやFAQシステムの導入相談会を無料で通年実施しています。自社にどのシステムを導入すべきかわからない方はお気軽にお問い合わせください。
AI搭載型のFAQシステムを選ぶポイント
次に、数多くリリースされているAI搭載型のFAQシステムについて、どのような観点から比較し選択するべきかそのポイントをご紹介します。
1, FAQシステムの検索性能
まずはFAQシステムの検索性能がどれだけ高いか比較しましょう。検索性能はベンダーが利用しているAIエンジンの性能によって左右されます。
- 基本的な検索機能に問題はないか
- 自然文検索に対応できているか
- どれだけ表現のゆらぎを吸収できているか
- 単語や文章の入力中にサジェストが表示されるか
- タグ検索機能など、便利なオプション機能が実装されているか
2, FAQシステムの運用サポートの手厚さ
次に、FAQシステムを導入した後の運用サポートの有無やその手厚さを比較しましょう。
FAQシステムの保守に関するサポートはもちろんですが、それよりも導入後のユーザー利用履歴を分析し、より効率よくFAQシステムが運用できるように改善案を提案するようなサポートがあるベンダーがおすすめです。
FAQシステムを導入しただけでは思ったような成果が出ない場合もあります。サービス利用ユーザーの行動を分析し適切なUIを提供するためにも、ベンダーによる手厚い運用サポートは必須だと言えます。
3, FAQシステムのカスタマイズ性
エンタープライズ企業にとっては、自社の運用や顧客情報に合わせてFAQシステムので事案や機能を変更できる点も重要になります。
例えば銀行やメーカーなど、異なる属性の人が使う可能性のある業界では、①FAQを出し分けたり、②それぞれのFAQを統合して管理出来たりなど、柔軟なカスタマイズが求められます。
その場合、FAQシステムをパッケージ販売しているベンダーではなく、スクラッチ開発にも対応できるベンダーを選ぶべきでしょう。
サイシードの開発事例では「個人向けFAQ」と「法人向けFAQ」「オペレーター向けFAQ」を適切に出し分ける必要があったため、スクラッチ開発を行ったケースがありました。
また、こちらの記事ではFAQシステム9社を16項目で数値化して比較した検証結果を公開しています。各ベンダーがどのような特徴のFAQシステムを提供しているか知りたい方はぜひご参照ください。
AI搭載のFAQシステムに切り替える3つの方法
本章では記事の締めくくりとして、既存のFAQをAI搭載のFAQシステムに切り替える3つの方法についてご紹介します。
すでにFAQページを構築している場合や、AIが搭載されていないFAQシステムを導入している方はぜひ参考にしてください。
1, FAQシステムをそのまま入れ替え、コンテンツも一新する
まずは既存のFAQシステムをAI搭載のFAQシステムに入れ替える方法です。
この方法の場合、FAQシステムを基礎からまるごと入れ替えるため、全てのFAQを最新版に一新することも可能です。したがってFAQの品質改善に大きな効果を発揮します。
この方法のメリットは、FAQシステム自体を入れ替えるため、既存のシステムの制約を受けることなく優秀なAI搭載のFAQシステムへ変更できることです。
一方でデメリットとして、FAQシステムを新しいシステムに入れ替えるための社内手続きと既存ツールの契約解除が発生することがあります。
サイシードのFAQシステムであるsAI Searchを導入した横浜銀行様では、既存のFAQシステムからAI搭載のFAQシステムへの入れ替えを実装しました。主な変更点として次の項目が挙げられます。
- 自然文検索にFAQシステムが対応し、より幅広いニーズに応えられるようになった
- 表現のゆらぎを吸収できるようになり、回答提示の正確性が向上した
- FAQシステムが自信度の高い回答から順にサジェストするため、顧客はより素早く適切な回答を得ることができるようになった
2, 検索窓だけ入れ替えて、コンテンツは転用する
2つ目の方法として、FAQシステムを入れ替えるだけで、メインのFAQコンテンツについては現在公開されているものを転用する方法があります。
この方法のメリットとしては、新たにFAQを策定・制作する必要がないため安価で済むことが挙げられます。
FAQシステムに登録した情報と投稿済みのFAQページのURLを紐づけるだけで済むため、FAQを一新するより実装がスムーズです。
サイシードのsAI Searchの事例では、日本郵便様のFAQページが該当します。日本郵便様では導入当初時点で最適化されたFAQページが公開されていたため、そこに弊社FAQシステムを導入し、検索窓のみを設置することでAI搭載型のFAQシステムの入替に成功しました。
3, 既存のFAQシステムにAIチャットボットを追加設置する
3つ目の方法として、現在のFAQシステムを使ったままウェブサイトにAIチャットボットを追加導入する方法があります。
この場合FAQシステム自体にAIは搭載されないのですが、AIチャットボットがそこをカバーすることで、人工知能のメリットを享受できるようになります。
- 既存FAQの探しやすさを向上
- FAQページだけでなく、ホームページ上のどのページからでも顧客の疑問に対応できる
- 既存のFAQページへの紐づけも当然できる
弊社事例ではファッションECサイトのマガシーク様が該当します。
マガシーク様の場合、①FAQ数が多くなかった のにも関わらず、②コールセンターへさばききれない量の問い合わせが日々届く 状況であったため、よりユーザーと密なコミュニケーションが取れるAIチャットボットを導入したという経緯があります。
AIチャットボットを導入することでFAQシステムを改善したマガシーク様の事例については実際にどれだけ問い合わせ数の改善効果があったのか掲載している事例集を用意しています。興味のある方は下記リンクからぜひダウンロードしてください。
AI搭載型のFAQシステムまとめ
本記事ではFAQシステムにAIを搭載することのメリットや、既存FAQシステムにAIを搭載する(入れ替える)方法についてご紹介しました。
FAQシステムで多様な顧客ニーズに応えるためにはAIエンジンを搭載した性能の高いFAQシステムの導入が必須です。表現のゆらぎに対応できなかったり、疑問を打ち込んでも求めている回答が表示されないと顧客はすぐにウェブサイトから離脱してしまいます。
そこで自社サービスの顧客満足度を底上げするためにも、AI搭載型のFAQシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか? まずは下記資料を参考に、FAQシステムのベンダーを比較してみましょう!
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