コールセンターに感情分析技術を導入するには?

最終更新日:2019年8月26日
このブログはコールセンター向けにAIを活用したソリューションを提供する、株式会社サイシードが作成しています。
最新の事例や企業での活用方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

代表 中村
こんにちは、サイシード代表の中村です。
先日中国の整形シュミレーションアプリを使用してみたのですが、最近の中国のアプリはすごいですね。凄くリアルに「どこを整形すればどんな顔になるのか」をリコメンドしてくれました。ちなみに私は「男爵顔」と評価され、どんなイケメン的特徴を持った顔なのか調べてみたのですが、全て中国語だったのでわかりませんでした。
さて、今回は整形アプリのように、「未来だな~!」と感じるAIの技術を、ご紹介していきたいと思います!

AIによる感情分析技術が私たちの生活に浸透しつつある中、コールセンターにおいても感情分析技術の導入が検討されています。
この記事ではコールセンターにおける感情分析技術の有用性について、詳細なメリットや事例を紹介しながらまとめています。

また、記事の最後では「ここまで自動化できる!3年後の未来のコールセンターガイドブック」をプレゼントいたしますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!

AIが感情を分析する仕組み

コールセンターにおけるAIの感情分析技術の有用性について解説する前に、そもそもAIがどのように感情を分析するのかについて、どんな種類があるのか、またその仕組みをそ説明したいと思います!

画像による感情分析

その仕組を簡単に説明すると、表情から感情を読み取る技術はベースとして1970年代に特許が取られている「FACS理論(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)」をご紹介することで理解が深まるかと思います。
この理論では、表情筋の動きをコード化し、その組み合わせから、顔の表情動作によって感情を定義します。
現在の画像認識では、その判断の部分にAIの技術が用いられており、自動的に感情を判別する機能が近年広まりつつあります。

音声による感情分析

次に挙げられるのが、音声による感情分析技術です。
この技術は近年コールセンター業界から注目を集めている技術になります。
この技術では、話者が発した音声の大小や高低などの変化のパターンをAIが解析し、話者の喜怒哀楽などの感情の変化を読み取ります

またこの音声の感情分析についてはこちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、是非御覧くださいね!

では、この技術によって得られるメリットは具体的にどのようなものでしょうか?

コールセンターにおいて感情分析を導入する3つのメリット

この章では、コールセンターにおいて感情分析技術の導入によって得られるメリットを詳しくご紹介したいと思います。

ズバリ、オペレーターと顧客のやり取りの音声から、オペレーターと顧客それぞれの感情の変化をAIがモニタリングすることで以下の3つのメリットを得ることができます。

1. 成約率の増加
2. オペレーターの離職率の低下・モチベーション向上
3. 顧客のクレーム抽出が可能になる

これらのメリットについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

1.成約率の増加

コールセンターでAIによる感情分析技術を導入することの1番目のメリットとして、成約率の増加が挙げられます。なぜ成約率が増加するのでしょうか?
一口に成約率の増加といっても、様々な場面が考えられますので、一つ一つご紹介して行きたいと思います。

顧客満足度の向上による成約率の増加

コールセンターでは当たり前のことではありますが、基本的にオペレーターは顧客の表情を読み取ることができません。
声色ではあまり怒っていないように聞こえても、実は怒り心頭の状態かもしれません。
そんな時に長い時間顧客を待たせてしまったり、新人オペレーターがしっかりと応対できなかったら重大なクレームになりかねませんよね。
そういった場合に感情分析技術を利用することで、顧客満足度を上昇させることが可能です。
AIがちょっとした感情の機微を察知し、上述の場合であれば、AIの判断に従いすばやく上長につなげることで顧客の機嫌を損ねることなく対応を行う事ができます。

このように、AIの判断に準じて、オペレーターが適切な対応を行うことで、顧客満足度の向上に繋がります。
結果として成約率の増加も期待できるといえるでしょう。

顧客の購買検討時の感情の動きを可視化する事による成約率の増加

また、顧客の購買検討時にも技術を利用することで、成約率増加を見込む事ができます。
AIによる感情分析技術は、顧客が製品の購入を検討する際の感情の動きをモニタリングするのにも利用できるためです。

そこで抽出したデータに基づいて、どういった感情の時に顧客が購買の意思決定をするのかを可視化することができます。
この可視化したデータを販売戦略などに活用することで、効果的なオペレーションを行うことができます。

ここまで、成約率の増加というメリットにフォーカスしてご紹介しました。
更にこの技術は、コールセンター業界には悩ましい課題であるオペレーターの離職率を低下することにも効果を発揮してくれます。

2.オペレーターの離職率の低下・モチベーション向上

コールセンターに音声による感情分析技術を導入することにより、オペレーターが発する音声からストレスやモチベーションを把握することが可能になります。
顧客の無理な要望やクレームに対応することが、オペレーターに過度なストレスを与えてしまうことはしばしば見られるケースです。
そのような場合に、音声認識システムは、オペレーターがお客様に対して怒ったり、落ち込んだトーンで会話をしてしまっていないか、感情の推定も行うことが可能です。
また、オペレーターと顧客の会話で感情面での問題も拾い上げることが可能なので、スーパーバイザーはオペレーターにタイムリーなフォローを行うことができるようになります。
顧客対応だけではなく、オペレーターに対しても上長が適切な対応ができるようになることで、オペレーターの離職を未然に防ぐことにつながります。

以上のようなデータが蓄積されることで、オペレーター1人1人の状態を把握し、適切な対応を行うことが可能になります。
結果として、オペレーターの離職率の低下やモチベーションの向上が可能になるでしょう。

3.顧客のクレーム抽出

コールセンターにAIの感情分析技術を導入することで、表面化していない顧客のクレームを抽出することが可能になります。

上述したように、音声での感情分析技術を利用することで、音声から様々な感情の機微をAIが判断することができます。
そしてそれはオペレーターと顧客との会話も例外ではありません。オペレーターの発言で対して受け答えをする顧客の音声の高低などをAIが解析し、表面化していないクレームの可視化やそれに基づいたオペレーターの選別ができます。

ここまでAIによる感情分析の仕組みや導入するメリットについて紹介させて頂きました。
メリットをざっと見てみても、コールセンター各社にとって魅力的な機能が沢山存在していると思います。
では、実際に感情分析を行えるツールはどのようなものがあるのでしょうか?実際のサービスをご紹介していきたいと思います!

コールセンター向け感情分析サービスの事例

ここからはコールセンター向けの感情分析サービスや、将来的にコールセンター分野で活躍が見込まれる技術を開発している企業について、各社のサービスの概要と導入実績などの事例をご紹介します。

Empath

Empath社の開発した「Empath」は音声などの物理的な特徴量から気分の浮き沈みや喜怒哀楽などの感情を独自のアルゴリズムを用いて判定するプログラムです。

「Empath」は導入実績も多数あり、コールセンターでの導入実績としては「Smart Call Center System」があります。
「Smart Call Center System」は顧客とオペレーターのやり取りの音声から感情を可視化し、管理者による分析やコーチングをサポートしてくれるソフトウェアとなっています。

Cogito

米Cogito社は、カスタマーサービスの担当者向けAIアシスタントを開発しています。

Cogito社の製品は、電話対応時の顧客とオペレーターの会話から音声をリアルタイムに分析する事が可能です。
顧客との会話スピード・会話のボリューム、感情等をモニタリングし、各顧客に最適な対応ができるようにオペレーターを支援します。

具体的には、顧客に共感しながら話す方法、最適な声のトーンや大きさ、顧客の意向を損ねることなく会話を中断するタイミングをオペレーターに提案してくれます。

Dialpad(TalkIQ)

企業向けクラウド型電話システムを提供する米Dialpad社によって買収された米TalkIQ社は、独自の音声認識技術と自然言語処理技術で構築されたAI音声分析サービスを提供しています。

同社の製品は顧客とオペレーターの会話をリアルタイムで分析し、顧客の質問に対する最適な返答を、オペレーターに提案してくれます。

また、会話中の音声から顧客の感情の起伏を分析・モニタリングする事により、顧客満足度を向上させるための会話のサポートを行います。

CENTRIC

CENTRIC社は、人の声を「言葉」ではなくを声色の変化や声の大小といった「音(トーン)」として捕らえる音声解析エンジンを導入したコンタクトセンター専用の「adscope VEA」というアプリケーションを開発しています。

約2秒毎に顧客とオペレーターの声を解析し、時系列に沿った感情の可視化や、聞きたいタイミングの会話のみをモニタリングすることも可能です。

その解析結果をオペレーターの教育などに活用することで、顧客満足度の向上が期待されます。

Affectiva

Affectiva社は「Affdex」という感情認識AIを開発しています。

感情認識AI「Affdex」を使用して日本国内においての「Affdex」の正規代理店であるCACが独自開発した「心sensor for Training」は、カメラを搭載したPCやタブレット端末上で利用できる表情トレーニングアプリです。

「心sensor for Training」は顧客への商材の説明や提案に向けた実践的な応対練習が可能なため、コールセンタースタッフの教育や顧客の表情分析への活用が期待されます。

KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、横顔からも表情の解析ができるアングルフリーな表情認識技術を開発しています。感情認識AIのコールセンターにおける試験的な導入実績もあります。

KDDIのコールセンターに感情認識AIを試験的に導入し、接客時のオペレーターの顔の動きから笑顔で接客できているか、リラックスできているかなどをモニタリング・解析した結果、コールセンター全体で表情改善への意識が高まったという実績があります。

Zinrai(富士通)

富士通の「Zinrai」は入力された音声データを解析し、声の高さなどの変化から顧客の満足度を定量化する感情認識AIです。

1秒毎にAIが音声を解析し、満足度スコアを数値化されます。
「Zinrai」のコールセンターにおける活用イメージとして、コールセンターでの会話から顧客の満足度を数値化して、顧客が満足した会話や不満足だった会話を抽出し、そのデータをオペレーターの教育に活用することが期待されます。

まとめ

代表 中村
今回は、感情分析の活用により、得られるメリット・またそれらの技術を提供しているサービスのご紹介をさせていただきました。
しかしながら、現状で日本においては明確な成果が出てないため、オペレーターの離職等にお悩みの企業様であっても、導入前に慎重に検討を行うことをおすすめします。
また、感情分析のシステムは高額なため、主に大規模センター向けのサービスといえます。ブース数が20席以下のセンターでは、現実的な部分からシステム導入を行う方が効果を実感できると言えます。

弊社サイシードでは、多くのコールセンターでお悩みの、オペレーターの育成期間を大幅に短縮できるsAI Searchを提供しております。

高速高精度のFAQシステムによって、オペレーターはユーザーからの質問をPCに入力するだけで適切な回答を呼び出すことができます。また、表示された回答を読み上げるだけで済むので、オペレーターの負担も軽減し、離職率の低下にも貢献することが可能です。
気になる方は是非以下のフォームからお問い合わせくださいね!

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