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コールセンターでのIVR導入のメリット・デメリットと主要ベンダー3社

コールセンターでのIVR導入のメリット・デメリットと主要ベンダー3社

最終更新日:2020年2月12日

このブログはコールセンター向けにAIを活用したソリューションを提供する、株式会社サイシードが作成しています。最新の事例や企業での活用方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

サイシード
こんにちは、サイシードの松尾です。
先日、オフィスの引っ越しを行いました。場所は今までと同じ新宿ですが、新しいビルに移りました!初日、新しいビルのトイレがきれいだとインターン生が騒いでいました。何ごとも新しいものにはテンションが上がるようですね。弊社も新しいことをどんどん発信していきたいと思います!
今回の記事ではコールセンターへのIVR導入について紹介します。
また、記事の最後では「sAI Voice Analyzer概要資料」をプレゼントいたしますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!

コールセンターの業務改善としてIVR(自動音声応答システム)を導入する企業が増えています。コールセンターにかかる負荷はどうすれば減らせるのか、日々コールセンターの担当者の方々は尽力されていることと思います。
しかしこのIVRは導入に資するシステムなのでしょうか、不安に思う方も多くいらっしゃるでしょう。

この記事では、コールセンターの負荷軽減に向けた対策としての期待が高まっているIVRについて、基礎的な内容から活用のメリット、実際の導入事例、提供サービスをご紹介していきたいと思います。
また、最後に知っておきたいIVRの弱点まで徹底解説して参りますので、是非最後まで御覧くださいね!

※この記事は5分程度で読むことが出来ます。

この記事の目次

IVRとは?

IVRとは、Interactive Voice Responseの略で、コールセンターに電話をかけると最初に始まる、「新規の方は1を、すでに契約中の方は2を…」という自動音声アナウンスのことを指します。
このIVRがよくよく活用されているのは、やはり電話での問い合わせが多いコールセンターです。コールセンターでは様々な目的からIVRが活用されており、IVRが登場した1990年代から現在に至るまで30年以上、多くの企業で利用されています。
本章では、まずコールセンターにおいてIVRがどのように活用されているのか基礎的な情報をご紹介します。

以下のリンクからIVR以外にコールセンターを効率化するシステムを紹介しています!ぜひ合わせてご覧ください!

コールセンターではおなじみの自動音声対応。
よくあるのは、複数の選択肢の中から自分の問い合わせ内容を選び、番号をプッシュするタイプですよね。自分の選択した問い合わせ内容から、担当の方に繋いで貰ったり、自動ガイダンスに個人情報を入力したりして回答を得ることが一般的です。
現在では当たり前のシステムとなっていますが、この自動対応によってコールセンターはどのようなメリットが得られているのでしょうか?
企業側、顧客側で得られるメリットをそれぞれ見ていきましょう。

企業側がIVRで得られるメリット

ここで企業のメリットをご紹介するには、IVRを導入していない大規模なコールセンターを想像してみるとわかりやすいかと思います。
もしIVRを導入していなければ、オペレーターは様々なジャンルの問い合わせにひっきりなしに対応しなくてはなりません。その場合、オペレーターは様々なジャンルに精通し、更に膨大なマニュアルの中から毎度毎度異なったジャンルを横断しながら、適切な回答を探さなくてはなりません。この状況はあまりにも効率が悪く、現実的ではありませんよね。
ではIVRを導入するとどうなるのでしょうか?

まず、ジャンルによって番号を振り分けた上で、ユーザーに該当の番号を押して貰うだけで、各ジャンルの専門オペレーターにつなぐことが可能です。この「振り分け」により、オペレーターは多様なジャンルに精通している必要がなくなります。
各オペレーターは一つのジャンルに対応できればユーザーの問い合わせにきちんと対応できる、という形になるのでオペレーターの教育コストを大幅に抑える事ができます。

ユーザー側がIVRで得られるメリット

ユーザーにとっては、IVRがあることによって待ち時間を短縮することが可能です。上記で説明したとおり、IVRがなければ一つの窓口に様々なジャンルの質問を抱えたユーザーからの問い合わせが殺到してしまう、という状況に陥ります。IVRがあるからこそ適切な窓口にユーザーを振り分けてくれるので、ユーザーは待ち時間が少なくオペレーターに対応してもらうことが可能です。

導入事例

ここまで、コールセンターで活用されるIVRについて詳しくご紹介してまいりました。ここからは実際にIVRをうまく活用している事例をご紹介したいと思います。これからコールセンターやサポートデスクの立ち上げを検討されている方は是非参考にしてみてくださいね!

今回は、「まいと~く VoiceFAX Center」を導入した東京都羽村市をご紹介したいと思います。


羽村市では1日800件ほどの問い合わせをオペレーター3名体制で受け付けており、同時に3件を超える入電があると、待ち時間が発生している状態でした。
更に課題として感じていたのが、緊急時に市民へ防災行政無線を市内に流した時の場合です。聞き取れなかった住民からの問い合わせが市に集中してしまうという状況が常態化してしまっていました。
本来であれば、緊急の案内のため迅速かつ均一に情報伝達を行いたいケースではありますが、人力で応答していることで迅速な対応ができていませんでした。

しかし以上に上げていた課題は、「まいと〜く」を導入することで解消することができました。「まいと〜く」は市民が電話をするとまず自動応答で用件を確認し、必要に応じて適切な担当部署へつなぐフローを確立してくれました。
担当部署の内線番号を知っている人には、自動応答後に内線番号を入力をしてもらうことで、さらにスピーディーな対応も実現できています。

このようなフローにより、災害時のアナウンスについても、自動音声の指示に従って操作するだけで住民は即座に防災用の無線で放送したものと同じ内容を聞けるようになりました!

IVRの主要なベンダー3選

ではここから、実際にIVRの導入を検討されている方向けに、おすすめのベンダーを3社紹介したいと思います。
現在はIVRに加え、PBXやACDなどコールセンター運営に必要な複数の機能を統合したCTIというシステムをそのまま導入するのが主流です。
それぞれのシステムで機能や初期コスト・ランニングコストなどが異なりますので、自社の課題に合致するものを見極めることが大切です!

CTIについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

コムデザイン:『CT-e1/SaaS』

コムデザイン社の「CT-e1/SaaS」は、コールセンターで必要となる一連の機能が標準装備されているのが特徴です。
「CT-e1/SaaS」は導入時の初期設定が30万円で、月額利用料はライセンス(外線・シート・管理機能)の数に応じて1件あたり5千円となっています。

「CT-e1/SaaS」はIVRを始めとして、オペレーターへの自動的な均等振り分けや着信順番の管理など、人間が対応するのが難しい動作をすべて担ってくれるシステムとなっています。業務管理をする機能も充実しており、オペレーター稼働状況の可視化や、管理者によるオペレーターへのアドバイス(音声・チャット)も備えています。クラウドを利用しているため、専用設備が不要で最短5営業日という早さで導入することができます。

ビズテル:『BIZTELコールセンター』

ビズテル社の「BIZTELコールセンター」は、クラウドを活用して低コストなコールセンターシステムを提供しています。
費用は導入時の初期設定が5万円〜で、月額利用料は1万5千円〜となっています。ランニングコストは、座席やアカウントの数に応じて増える「ライセンス課金」ではなく、「同時通話数課金」を採用しており、他のサービスより利用料が上がりにくいという特徴があります。
従来型のシステムでは導入時に設備工事や設定などの準備作業が多く、初期費用が大きな負担となっていました。このサービスではネット接続できる環境があれば導入できるので、初期コストを最小限に抑えることが可能です。

ソフトバンク:『CTI(ホワイトクラウド コンタクトセンター)』

ソフトバンク社の「CTI(ホワイトクラウド コンタクトセンター)」は、簡単に導入できるクラウド型のサービスで、必要なときに必要なだけ機能を使うことができるのが特徴です。
費用は導入時の初期費用が3万円で、月額利用料は基本利用料金(発着信回線10チャネル含む)が10万円、その他はオプションとなっています。

最大5つのIVRを同時に使うことができ、設定も管理画面から容易に行うことができます。ガイダンスに使う音声ファイルも顧客が用意したものを使えるため、導入がしやすいシステムとなっています。また、コールセンターとしての機能以外にもCRM(顧客関係管理)やAI(人工知能)サービスとの連携も可能となっており、幅広い領域で活用することができます。

IVRにも弱点がある?

ここまでIVRのメリットや具体的なサービスをご紹介してきました。
しかし、やはり便利な半面、デメリットもありますので解説していきます。

オペレーターが個別に顧客対応をする従来のコールセンター業務にIVRを導入すれば、企業側の負担が軽くなることは間違いありません。
しかし、現在のユーザー視点としては逆に不便に感じてしまう、という状況も起こりうるのです。何故このような逆行した現象が起きてしまうのか詳しく見てまいりましょう。

回答をもらうまでに時間がかかりすぎる

IVRの特徴として、自動音声案内ガイダンスによる一次振り分けがあります。
例えば、保険商品の加入に関する相談など、顧客の条件によって分岐が多い質問の内容によっては直接オペレーターへつなげた方が早いケースもあります。
しかし、IVRではどんな質問であったとしても、ガイダンスを聞いて番号を押さないとオペレーターにはつながりません。そのため不必要にガイダンスが長いとユーザーはストレスを感じます。

例えば、クレジットカードのコールセンターの場合、新規申し込み、紛失・盗難、引き落とし口座の変更、今月の請求額の確認など、かなり幅広い問い合わせが想定されます。結果的に、利用者はその選択肢を最後まで順番に聞かないと自分に適切な窓口の番号がわからないということが起きるのです。
記のようにオペレーターとしては質問内容が分類された上で通話できるのでメリットがありますが、回答の速さという意味ではIVRも万能とは言えません。
なお、この問題への対策として音声ガイダンスの途中でも番号を押して先へ進めるタイプのIVRも運用されています。

質問したい内容の属するカテゴリがわかりにくい

音声ガイダンスのカテゴリをきちんと整備しないとユーザーがどのジャンルを選べばいいか逆に困惑してしまうという状況も発生する可能性があります。
そういった場合には最後までガイダンスを聞いた上で「その他」を選択しなければならず、ユーザーはムダに時間が掛かっているように感じてしまいます。
質問内容のカテゴリ分けは非常に重要となるため、過去の質問傾向を分析の上、慎重に決める必要があります。
IVRの運用を開始してからも「その他」を選択する人が多い場合は、カテゴリを見直すなどのメンテナンスが求められるので、一定のコストが発生することは見込んだ方が良いでしょう。
また、音声ガイダンスのカテゴリを階層化する方法もありますが、階層が深くなると、なかなかオペレーターにつながらないため、ユーザーが離脱してしまったり、より多くのストレスを感じさせてしまう可能性があります。

問い合わせ先を間違えるとさらに時間がかかる

IVRを導入するにあたっては、自動音声で質問の一次振り分けをして、適切な担当部署のオペレーターへつなぐという基本的なフローがあります。
しかし、必ずしもユーザーが正しくカテゴリを選択できるとは限りません。
カテゴリを誤って選択してしまうと、質問内容と合わないオペレーターへ接続されてしまいます。オペレーターと会話しているうちに担当部署が違うと分かれば転送してもらえますが、ユーザーによっては「たらい回し」をされていると感じてしまう可能性もあります。
本来は効率的に問い合わせ対応を行うためのIVRでも、ユーザー視点を重視しないと逆に顧客満足度を下げる結果になってしまうのです。

IVRの弱点を克服する『Web IVR』

これらのIVRの弱点を克服するために、Web IVRという仕組みが注目されています。 IVRの弱点は「音声を全て聞かなければ選択肢がわからない」という点に集約されます。
サイシードが提供するWeb IVRは、次の3ステップで迅速にユーザーの疑問を解消します。

1,ユーザーの電話番号にSMSでリンクを送る
2,リンクから、ビジュアルIVRのページを開く
3,自身が質問したいことに関連する「タグ」を選択していくことで、目的のFAQに辿りつく

既存のIVRに不満を持つユーザーは多く、このWeb IVRのシステムはますます導入が進んでいきます。

まとめ

コールセンターでIVRを導入することのメリット・デメリット、および主要ベンダーのサービスをご紹介してきました。
企業側としてのメリットは明確で、導入することにより業務は効率化するでしょう。ただし、デメリットとして解説したユーザー視点が抜け落ちてしまうと本末転倒です。
コールセンター設置の目的とは、ユーザーの疑問点を解消して顧客満足度を上げることですので、スムーズに正確な回答へとつながるツールを選ぶ必要があります。

IVRは電話業務を効率化したい企業側にとってメリットの大きいシステムですが、顧客にとってIVRに対応されることで問い合わせにかかる時間を増やしてしまうなどの弱点もご紹介しました。
IVRは、ユーザー視点を意識せず導入してしまうと、顧客の不満が溜まる原因となり得ります。そのため特に音声ガイダンスの内容は必ずユーザー視点で考えることが必要といえるでしょう。
どんな疑問をもったユーザーだとしても電話を掛けてきた際には、一定の時間で解決することができるフローを構築することで、顧客満足度も高めることができます。

サイシードでは「欲しい答えがすぐにみつかるリアルタイム検索」ができたり、ユーザーが話し言葉のまま質問文を入力しても適切な答えを返すことができるAI搭載FAQシステム『sAI Search』や『sAI Chat』をご提供しています。
コールセンターで顧客満足度を上げるご支援を多数の企業様にご提供してきた実績をいかしたサポートをさせていただきますので、是非弊社のツールも検討してみてくださいね!

サイシード
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
コールセンターにおける「IVR」導入のメリット・デメリットから、主要事例ベンダー導入事例までご紹介しました。
コールセンターや電話対応で、IVRの導入を検討している方、ぜひ参考にしてみてください!
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コールセンターの効率化を検討する際の参考として、ぜひご活用くださいね。
sAI Voice Analyzer概要資料

sAI Voice Analyzerは音声データをテキスト化し、問い合わせ内容を要約することで、コールセンターの効率化やFAQシステムの効果的な運用に活かしていくサービスです。また、あきらかになった課題をもとに、FAQ強化の提案やシステム導入、オペレーションの改善提案を実施します。こちらの資料では、機能・特徴・価格などのサービスの詳細について紹介しています。 音声データの分析を検討している方は、ぜひ検討いただければと思います。

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