ヘルプデスク

ヘルプデスクのマニュアル作成方法・目的・ポイント・手順・サービス

最終更新日:2019年5月29日
このブログはヘルプデスク向けにAIを活用したソリューションを提供する、株式会社サイシードが作成しています。
最新の事例や企業での活用方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

サイシード
こんにちは、サイシード代表の松尾です。
今朝、電車に乗っていたら酔っぱらいの嘔吐に被弾しました。座席に座っていたのですが、隣になぜか月曜の早朝から泥酔しているサラリーマンがいることに気づかずに、被害を被ってしまいました。
少量だったためすぐにトイレに駆け込んで洗い流しましたが、国には『酔っぱらい対策マニュアル』を整備してもらいたいと心の底から思った朝でした。
さて、今回はヘルプデスクで必要不可欠なマニュアル作成について紹介します!

また記事の最後では「社員3000人のヘルプデスクが、問い合わせ対応時間を70%削減した事例」をプレゼントいたしますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!

顧客や社内から寄せられるシステムや技術に関する問い合わせやトラブルへの対応に追われているヘルプデスク。
ヘルプデスクは、顧客にとっては企業との接点であり顔と言え、社内にとっては業務を効率化したり円滑に進めたりするためのライフラインと言えるのではないでしょうか。
そんなヘルプデスクの顧客対応や社内対応を滞りなく進めるためには、仕組み作りが必要不可欠です。
中でも、新人がすぐに業務を行えるためのマニュアル作成は欠かすことができません。

今回は、ヘルプデスクのマニュアル作成方法やその目的、作成時のポイント、作成までの手順、そして手助けとなるサービスについてご紹介します!

この記事の目次

ヘルプデスクのマニュアル作成の目的

あらゆる企業において、業務手順や流れを確認するため、業務の品質や向上を図るためにはマニュアルは欠かせません。世の中には様々なマニュアルが存在しますが、その中でもヘルプデスクのマニュアル作成の目的はどのようなものがあるのでしょうか。

ここではヘルプデスクのマニュアル作成の目的について、各視点から見ていきましょう。

業務の標準化

まず、ヘルプデスクのマニュアル作成の目的として挙げられるものに業務の標準化があります。
ヘルプデスク部署に配属されたばかりで業務に全く慣れていないと、業務の効率は悪くなってしまう恐れがあります。
それだけでなく、対応する人によって知識量に差があると、業務処理のスピードや品質が一定に担保されません。

これらの問題を解決するために、業務に必要な流れや応対方法、緊急時の対処法などについて誰が見てもわかるようなマニュアルの整備を行うことで、不慣れな新人がいても業務の標準化を達成することができます。

また、いただいた問い合わせ内容を元に、マニュアルの改善を定期的に行うことで、さらに高いクオリティーでの知識共有が可能になります。
ヘルプデスク部署に配属されたばかりの新人でもベテランでも、同じ考えや理解を促せるようなマニュアルを作成することが業務の標準化を推し進めていきます。

教育時間の短縮

ヘルプデスクにおいて、新人教育はとても重要な位置を占めています。
というのも、問い合わせに対応できるのはあくまで電話を取った本人であり、一度対応を始めると中断することはユーザーの手間となってしまうからです。

オペレーターやヘルプデスクにおける教育時間のリアルについては、こちらの記事をご覧ください!

コールセンターのオペレーター向け教育(研修)の基本的な方法をご紹介

2023.03.29

とはいえ、教育に時間をかけることが現実的かというと、そうではないのが現状です。
なぜなら、教育を行なっている最中にも問い合わせは来るため、あまり時間を割いていると業務の進行が滞ってしまうからです。
マニュアルを整備することにより、教育課程で多くの時間を割かねばならなかった知識入れの時間を短縮することができるため、大幅な時間短縮に貢献します。

ノウハウの蓄積

マニュアルを作成する目的の3つ目として、ノウハウの蓄積をすることが挙げられます。電話応対は性質上、知識が属人的になる傾向にあります。
そのため、ベテランと新人の間の知識の共有が難しく、人が辞めた場合にその人の持っていた知識が会社に留まらない点で問題となります。

そこで、定期的に更新するマニュアルを作成することで、対応の難しいクレームなどの場合にベテランが用いる応対方法を明記しておくことで、より適した回答を提示することが可能になります。

ヘルプデスクマニュアル作成時のポイント

ヘルプデスクマニュアルは、顧客対応の質を上げた後、その高水準を維持するためには欠かせないツールです。
ここからは、それを可能にするヘルプデスクマニュアルを作成する際のポイントについてご紹介します!

対象を明確にする

ヘルプデスクマニュアルを作成する際、注意すべき点はズバリ「誰がどんな目的でマニュアルを見るか?」をしっかりと考えることです。

5W2H(Who、What、When、Where、Why、How、How much)を意識して、対象を明確にしながらマニュアルを作成することが大切です。
また、企業によっては緊急時や季節など、状況により補助要員として違う部署の人がヘルプデスクに入る場合があります。その場合は、あまり手慣れていないこともありますので、わかりやすさや丁寧な表現も必要になるでしょう。

使用する対象を明確にすることで、記載の仕方や順番、流れなど、より精度の高いヘルプデスクマニュアルの作成が可能となります。

業務の全体像と流れを明確にする

業務の全体像が分かることで、自分の関わっている部分を理解できるだけでなく、今後の改善に繋げることが可能です。
加えて、業務の流れが見えることで、取るべき対応の道筋が立てられたり、対応をする際に気をつけるべき点が明確になるため、効率化を達成できます。

ヘルプデスクに長い間携わっている経験の豊富なベテランが、感覚的に把握している全体像を元に、新人のよくつまづくところを見える化することが重要です。このように、誰が確認してもパッと見てすぐにヘルプデスク業務の入口から出口までをイメージでき、把握できるようなマニュアル作成をすることが望ましいです。

過去の対応事例について記載する

ユーザーからの様々な問い合わせや質問などは、基本的にマニュアル通りに進めていくことで解決する寸法です。
とはいえ、中にはマニュアル通りにはいかない変わった問い合わせや、これまでに例のない質問をされる場合もあります。

また、提供している製品やサービスについてのクレームの場合、問い合わせされた方が感情的になっていることが多く、うまく対応できない場合もあります。
このような場合に備え、ヘルプデスクマニュアルの中に過去にあったクレームの対応事例を記載しておくことで、問題解決への糸口が見つけやすくなります。

より使いやすいヘルプデスクマニュアルを作成するために、過去の対応事例はぜひ取り入れたいポイントと言えます。

ヘルプデスクマニュアル作成の手順

ここまではヘルプデスクマニュアルを構築していくための骨組みの部分をお伝えしました。
ここからはヘルプデスクマニュアルの骨組みに肉付けをするために行うべき手順について見ていきましょう!

業務内容の整理と業務フローの理解

ヘルプデスクマニュアルを作成するためには、まず、現在の業務内容をこと細かに整理し、業務フローに落とし込んでいきます。
場合によっては2つから3つの部署にまたがっていることもあることを踏まえながら、できるだけ詳細に業務内容の全体像を集めてカテゴリー別などに分類していきます。

そのように整理した業務内容を、最初は大枠から始め徐々に小さく業務フローに落とし込んでいき、最終的には誰もがパッと見てわかるような業務フローにしていきます。
作成する業務フローはフローチャートの知識、理解があるとより明確に作成できるため、フローチャートの知識も身につけておくとより良いでしょう。

また、ヘルプデスクマニュアルは見やすさも業務を効率化させる上で重要です。
概略や目次などの大きな見出し、詳細や説明などの小見出しをつけるなど、見る人の視点に立って作成しましょう。

業務マニュアルの構成と作成

マニュアルを使う人がパッと見て内容を理解して行動に移すためにも、構成や配置はとても重要です。
ヘルプデスクマニュアルの軸となるレイアウトも工夫して読みやすくする必要があります。
例えば、人の視線は左から右流れ、上から下に向かうと言われていることから、重要な項目を左上に記載することを心がけるとより見やすいマニュアルになります。

また、ページごとに記載されている内容をわかりやすくするため、見出しを使って階層化する工夫も必要です。
それぞれ「大見出し」「中見出し」「小見出し」というように分類していくことで理解が深まります。

加えて、目次を記載することで、ピンポイントで欲しい情報を見つけやすいだけでなく、マニュアル全体を確認したいときにも役立ちます。
目次も、該当箇所を見つけやすくするためにインデントを使ったり文字装飾をしたりと工夫をすることで、より見る人の視点に立ったマニュアルとなるでしょう。

業務マニュアルのアップデート

マニュアルが完成したら、まずはトライアルとして運用をしていきます。
あくまでトライアルとして運用するため、作成したヘルプデスクマニュアルは100%の完成形ではありません。
実際に運用していくことで、マニュアル内にある抜けや見落としを発見することができます。
発見した抜け漏れを元に、ヘルプデスクマニュアルの改善を行う作業を何度かくり返すことで、完成形に近づけていきます。

また、新しい製品やシステム、サービスを開発提供し始めた場合、想定される質問を見越してマニュアルをアップデートさせていくことも重要です。
マニュアルを使う人が使いやすいように、修正や改善を繰り返して、随時アップデートしていくことが大切です。

ヘルプデスクのマニュアル作成に使えるツール

ヘルプデスクマニュアルの作成には、最初に設定する目的から実際の作成、そしてくり返し行うアップデートなど、手間とコストがかかるものです。
大企業であれば人材配置を変更したり、人員を一時的に動かすことでマニュアル作成にかかる労力を担保できるかもしれません。
しかし、中小企業では人員やコスト面での制約が大企業に比べて大きいため、ヘルプデスク部署の整備が遅くなりがちです。

このような場合、ツールを上手く利用することで中小企業が抱える様々な壁を越えやすくなります。
ここからは、ヘルプデスクマニュアル作成に使えるツールについてご紹介したいと思います!

Dojo

株式会社テンダが提供するDojoは、マニュアルの自動作成機能を搭載したマニュアル・コンテンツ作成のツールです。
ヘルプデスク業務のサポートツールとして、Dojoには3つの特徴があります。

特徴1:シンプルな操作性と自動化機能
Dojoは、誰もがすぐに使うことができるように、シンプルな操作性と自動化機能を備えています。
対象のアプリやシステムを操作するだけで画像を自動的にキャプチャーし、その操作する工程も説明文として保存できます。
自動化によって抜け漏れが生じないようになっているため、知識やスキルがなくてもすぐに使いこなしマニュアルを作成することができます。

特徴2:豊富なテンプレートと使用例の動画
ドキュメント作成のテンプレートやそのテンプレートの使い方の動画が豊富に用意されており、誰が作っても簡単に統一されたキレイなマニュアルが出来上がる仕組みになっています。

・マニュアル作成に慣れていない
・画像の扱い方がわからない

という人でも、動画を見ながら操作ができるため、簡単に綺麗なマニュアルを作成することができます。
また、豊富なテンプレートがあることで、短い工数で理想に近いドキュメントを作成することが可能です。

特徴3:充実したサポート体制
他のツールにももちろん導入時サポートはありますが、Dojoは導入後のサポート体制が特に充実しています。
行き詰まった時など、サポートサイトとコールセンターがどんな疑問にも即座に、詳細に対応してくれる安心感があります。
また、操作方法のセミナーも無償で定期的に開催していることから、リアルタイムで疑問を解消することも可能です。

iTutor(アイチューター)

iTutorは、株式会社ブルーポートが提供するマニュアル作成ツールです。
従来なら数日間かかるマニュアル作成を、わずか1時間ほどで完了させる画期的なツールと謳っています。
iTutorは、マニュアル作成に慣れていない方にも手を出しづらいといった印象はなく、特別難しい操作もありません。

iTutorを立ち上げ、いつも通りパソコンをの操作をするだけで、それまでの操作が記録され、マニュアルが構成されます。
また、マニュアルを見ながらではなく、直感的な操作が可能になっているので、パソコンに不慣れな人でも触っているうちにどんどん覚えていけるという手軽さがウリです。

編集したデータをボタン1つでPDFファイルやパワーポイントといった形式で出力することができるため、必要に応じた媒体でマニュアルを作成することが可能です。
そして多くの人が、難色を示す動画マニュアルも、ストレスを感じることなく簡単な操作で完成させることができます。

ClipLine

ClipLineは、ClipLine株式会社が提供しているマニュアル作成ツールです。

このツールは、飲食、介護、薬局などサービス業で抱えやすい問題である店舗スタッフの教育や現場で使えるノウハウの共有などの様々な問題を動画としてまとめ、タブレットで確認できるツールです。
ClipLineには、ToDoと、クリップと呼ばれる短尺動画という2つの主要な機能があります。
そのなかでも「クリップ」は、言葉だけでは伝わりにくいニュアンスやノウハウ、技術などを動画の特徴を活かしてわかりやすく伝えることができます。
また、マニュアル等をあらかじめ動画として登録することで、教育担当が不在のときでもトレーニングを行うことが可能になります。
同時に、これまでは担当がいなければならなかった新人教育が、動画学習でできるため、教育にかかるコストの削減も図ることができます。

さらに、ClipLineのツールを導入したことで「なんとなくやっていた」「わかったつもりがわかっていなかった」というような問題を解決し、教育にかかっていた時間を1/4にまで削減した実績があります。

sAI Search

sAI Searchとは、社内のシステム関連の問い合わせや総務や経理周りのさまざまな質問に対する回答を電子マニュアル化するFAQシステムです。
AIを搭載しているFAQシステムのため、自然文検索が可能となっています。
加えて、文章を入力している最中に一致率の高い回答をレコメンドしてくれるため、素早い課題解決が見込めます。

また、日本語特有の揺らぎを吸収して正答率をあげるため、AIの初期学習に力を入れている点で特徴的といえます。
独自の業界用語辞書に加え、一般的な類義語辞書を保有しているため、精度の高い自然文検索を提供することが可能です。

メンテナンスについては、プログラミングの知識が不要なため、今までFAQシステムを導入できなかった企業や、エンジニアが少ない企業でも導入しやすいツールとなっています。

まとめ

ユーザーからの問い合わせを適切に処理したり、スムーズな解決に繋げることで、ユーザーからの信頼度が上がるヘルプデスク。
いざ自社の業務をヘルプデスクが対応できるようにマニュアル化しようとすると、何から始めていいのかわからないものです。

ヘルプデスクマニュアルを作成する目的を持って、トライアルをくり返していくことでより精度の高いものとなっていきます。
コストや人員を考慮しつつ、自社に合った形でツールを用いることをオススメします。

サイシード
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
こちらのフォームから、「社員3000人のヘルプデスクが、問い合わせ対応時間を70%削減した事例」をDLいただけます!
ヘルプデスクの効率化を検討する際の参考として、ぜひご活用くださいね。
AIとRPAを駆使した最強の社内ヘルプデスク導入事例

問い合わせをするのは顧客に限りません。企業社内でも『社内ヘルプデスク』という形で社員の問い合わせ対応に多くの時間が割かれています。
そこで、AIとRPAを駆使して社員3000名のヘルプデスク業務を6名→2名に削減した企業の導入事例を紹介します。