チャットボット

シナリオ型(ルールベース)のチャットボットの仕組みは?AI搭載型チャットボットとの違いを解説

最終更新日時:2020年09月15日
このブログはAIを活用したチャットボット『sAI Chat』を提供する、株式会社サイシードが作成しています。
最新の事例や企業での活用方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

代表 中村
先日、東京ゲームショウのVRコーナーで話題の『VRカレシ』をプレイして来ました。 ついつい自分の性別と時間を忘れて永遠に目の前の『カレシ』とめくるめく会話を楽しんでしまいました。 家には勿論『VRカノジョ』がいるので、一人寂しい夜には『VRカノジョ』を楽しみながらワインとチーズを嗜んでいます。 今回はそんな恋愛シュミレーションゲームにも少し関わりのある『会話』、特にチャットボットの返信してくれる仕組みやシナリオの具体的な作り方について詳しくご説明したいと思います。 また、この記事の最後では、私が作成した「2019年度版『チャットボットツールベンダー』徹底比較集」をプレゼントします。ぜひ最後までお付き合いください!

シナリオ型チャットボットって?チャットボットの種類を紹介

「チャットボット」は、情報検索のユーザーインターフェース(UI)の一種で、会話調の短文のやりとりを行うものです。人間が入力や発言したことに合わせて自然なコミュニケーションを取れるシステムもしくはシステムを搭載したロボットのことを指します。

google検索エンジンは短文を入力すると結果がテキストで10~20件表示されるUIです。最近流行りのスマートスピーカーも、音声で短文を入力することで、音声で1つの結果が返ってくるUIの一種です。

チャットボットも、短文もしくは与えられた選択肢を入力して、1件あるいは数件の結果をチャットで返信してくれます。

では、このチャットボットが回答を返信してくれる仕組みは一体どうなっているのでしょうか?一般的にチャットボットが回答を出す仕組みは、2つあります。

  • 事前に作成したシナリオに沿ってツリー構造に質問を絞っていく方法(=シナリオ型)
  • ユーザーから送信された文章に反応して回答を出す方法(=AI搭載型)
  • 上記二つの方を複合したハイブリッド型のチャットボット

とはいえ、これだけですとイメージがつきづらいと思いますので、更に詳しくご説明したいと思います。

シナリオ型(ルールベース)のチャットボット

シナリオ型のチャットボットは、所謂『恋愛シュミレーションゲーム』を想像していただけるとわかりやすいかと思います。

恋愛シュミレーションゲームでは選択肢が表示され、選んだものにより結末がバッドエンドにもハッピーエンドにもなるのはおなじみですよね!シナリオ型のチャットボットも同様にユーザーが選んだ選択肢に沿って会話が進んでいきます。

自身が選択肢の中からどの発言を選ぶかによって、その後に展開されるストーリーが異なるため、恋愛シュミレーションゲームのようなシステムを組んでいると言えるでしょう。

チャットボットが選択肢を提供し、ユーザーはそこから1つ選択します。そしてその選ばれた選択肢に沿ったコミュニケーションをチャットボットが行います。この繰り返しによってシナリオ型のチャットボットは機能しています。

つまりシナリオ型のチャットボットは会話を認識しておらず、シンプルにロジックが分岐していく方法なのでルールベースとも呼ばれています。

AI搭載型(機械学習型)のチャットボット

AI搭載型のチャットボットは「一つ質問をしたら一つの回答をする」チャットボットです。
このタイプで有名なのは、チャットボットの先駆けとも言える「LOHACO」の「まなみさん」が有名ですね!

質問内容を入力するとまなみさんがこのように回答してくれます。


まなみさんが入力した質問内容に適切に回答できるのは、あらかじめ登録された想定質問文とそれに対する回答文の中から、入力された新たな質問文と一番近い想定質問文を選び出し、その回答を出しているからです。

この近しい質問文を探す方法ですが、ただ単にキーワードに反応する簡易的なのもありますが、”AI搭載”だと異なる表現も同じ意味として理解ができます
例えば、

1.別れたくない
2.振らないでください
3.(かなり飛躍させて)月にいくら貢げばいいの?

という3つの短文は、使われているキーワードや表現は異なりますが、「彼女と別れたくない」という意図は同じです。

AIを使えば、ユーザーに情報入力の自由度が大幅に高まります。そして数多くの入力内容と、回答した結果に対するフィードバックを学習していくことで認識できる範囲が広がっていきます。

代表 中村
AIと一口に言っても、企業によってその中身はピンキリです。
AIの有無ではなく、どの程度の精度が出るのかを実際に使ってみて、比べるしかないのが現状です。
『野球ができる』と言った発言を例に挙げてみても、腕前として草野球ができる程度なのか、プロ野球選手並みなのか『野球ができる』の一言ではわからないのと同じです。

ハイブリット型のチャットボット

ハイブリット型のチャットボットは上記の二つの機能を組み合わせたものになります。手入力でユーザーが質問したものに対し、一問一答形式で返信します。その回答によって、さらに途中から条件分岐を行い適切な回答に導きます

例えば、クレジットカード会社に問い合わせる場合に、
「登録住所の変更をしたい」という質問をユーザーがしてきた場合には、
「○○カード、△△カード、□□カードとありますがどのカードをご利用中でしょうか?」とツリー構造に沿って聞き返していくことで、ユーザーの求める情報に辿り着くよう導いてくれます。

チャットボット全般についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

シナリオ型チャットボットの導入メリット・デメリット

次に、シナリオ型チャットボットを導入するメリットやデメリットをご紹介します。

なお、シナリオは、ユーザーからの質問を予測して、あらかじめ作成しておく必要があります。

シナリオ型チャットボットのメリット

シナリオ型チャットボットが持つ最大のメリットは非常に安価で導入できる点にあります。月額1万円程度で導入できるサービスも存在します。その他にも以下のようなメリットがあります。

  • AIの学習を必要としない
  • すでにFAQが用意されていれば開発に時間がかからない

例えばECサイトの問い合わせ対応など、問い合わせの幅が狭く、一定の種類に限られるような店舗にはシナリオ型チャットボットが向いています。単純な問い合わせについてはシナリオ型チャットボットに対応させ、複雑な問い合わせはカスタマーサポートに繋ぐといった対応も可能です。

シナリオ型チャットボットのデメリット

一方でシナリオ型チャットボットはカテゴリから選択していくため、カテゴリがわかりにくかったり、100種類以上の質問数が想定されるケースには向いていません。問い合わせ数が多い場合や、質問内容が多岐に渡る場合はAI搭載型のチャットボットの導入が推奨されます。

チャットボットのシナリオ設計の流れ

次に、チャットボットのシナリオ設計の流れをご紹介します。

まずは、実際に顧客から寄せられた質問のデータベースや、想定される質疑応答をリスト化したデータベースを用意する必要があります。それらのデータを元にシナリオを作成することで、シナリオ型チャットボットを開発することができます。

①チャットボットのシナリオをエクセルで作成

社内問合せ用のシナリオ型チャットボットシナリオ

まずは質問データベースを参考に、どの質問がどのカテゴリーに属するものなのかを分類します。
例えば上記画像では、PC操作方法全般の質問を取りまとめたカテゴリーを「PC」とし、そこから項目別に「起動&終了」や「システムエラー」などの子カテゴリーが作成されていますね。想定される質問が複数に分岐する場合は、それぞれに対して適切な回答を用意します。

FAQデータを網羅的にチャットボットに取りまとめることで、シナリオ型チャットボットのベースを作成します。

チャットボットのシナリオの例

<カテゴリー:PC>
<子カテゴリー:システムエラー>

質問(1):パソコンの再起動ができません。
回答(1):[スタート] の [再起動] または [シャットダウン] をクリックしてください。

(以前の質問を受けて)
質問分岐:再起動できた。/ 再起動できなかった。
回答(2):電源ボタンを長押ししてください。

以上のような「質疑応答に手間がかかる単純な質問」への対応については、シナリオ型チャットボットを導入することで業務効率を改善することが可能です。
質問分岐の中で複雑な回答が求められた場合のみ、コールセンターや社内部署へ問合せするような仕組みを採用すれば、チャットボット利用者の疑問を満足に解決することができます。

②作成したFAQシナリオを元にチャットボットを開発する

FAQシナリオを作成した後は、エクセルデータをチャットボットへアップロードし、完成です。シナリオ型チャットボットには人工知能が搭載されていないため、これ以上の作業を必要としません。

3種類のチャットボットを選ぶポイント

ここまで、3種類のチャットボットのご紹介をしてきましたが、「じゃあ結局自社にはどんなチャットボットが向いてるの?」という疑問が皆様浮かんできたと思います。

ここではざっくりと3つの条件に合わせて、それぞれ向いているチャットボットをご紹介した後、各チャットボットが得意なジャンルについてご紹介したいと思います。

シナリオ型のチャットボット:手軽にチャットボットを導入したい場合におすすめ

最も手軽に導入できるのは、シナリオ型のチャットボットといえるでしょう。限られたパターンを作るだけで済むので、「シナリオを作るんだから準備するの大変そう…」というイメージとは裏腹に、手間をかけず導入することができます。

このシナリオ型のチャットボットが向いているのは、自社のECサイトの問い合わせなど、あまり質問の幅が広くない場合にオススメです。

AI搭載型のチャットボット:質問の内容が多岐にわたる場合におすすめ

ユーザーからの質問が多岐にわたる場合には、AI搭載型のチャットボットがオススメです。例えば、アプリやサービスに関する問い合わせなど、ほぼ同じ内容の質問が大量に来る場合には、特に有用といえるでしょう。

ただし、AI搭載型のチャットボットはAIに学習させる作業を必要とする上、上記でもご紹介したように、想定される質問を網羅しないといけないため、かなり手間がかかるという点は留意すべきといえるでしょう。

ハイブリッド型のチャットボット:質問が多岐にわたる+ユーザーの条件に合わせた回答が必要な場合におすすめ

ユーザーからの質問が多岐に渡る上、ユーザーの条件によって必要な回答が異なる場合にはハイブリッド型のチャットボットがオススメです。例えば、PCのトラブルについて回答するチャットボットならば、ユーザーの使っているPCがMacなのかWindowsなのかで回答が変わってきます。

このような場合には、ユーザーの条件を明らかにし、適切な回答に導いていくことが必要です。その場合には、多岐にわたる質問の中から、ユーザーを適切な回答に導いてくれるハイブリッド型のチャットボットが適切といえるでしょう。

ただし、AI搭載型のチャットボットと同様、整備に手間がかかるのは留意すべきポイントといえるでしょう。

代表 中村
費用感としては、シナリオ型は1万円/月程度。AI搭載型の場合には10万円/月程度~、ハイブリット型では20万円/月~となっています。 とにかく安く抑えたい!という場合にはシナリオ型のチャットボットがおすすめですが、安く抑えることばかり重視してしまうと、せっかくチャットボットを導入したのに、あまり使えない…というケースに陥ってしまうので、用途や目的をしっかりと設定した上で、予算を抑えていく必要がありそうです

シナリオ型チャットボットまとめ

本記事ではシナリオ型チャットボットの仕組みやメリットデメリットについて紹介いたしました。

チャットボットにはその仕組みによって得意なジャンル、苦手なジャンルがあるのがおわかりいただけたかと思います。今回は3つの条件で適切なチャットボットの見分け方をご紹介しましたが、実際には会社の規模感や運用する人数といった細かい条件によっても最適なチャットボットは変わってきます。

そこで弊社ではチャットボット開発相談会を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。チャットボットについてさらに深く知っていただいた上で、貴社サービスに最適なチャットボットの種類や導入プランを提案させていただきます。

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チャットボットサービスは今や80種類以上あり、「それぞれどう違うのか?」「自社にはどのサービスが合うのか?」がわかりにくくなっています。

今回の記事と合わせて、下記の『チャットボットベンダー』徹底比較集をDLいただければ、各サービスの特徴と性能をより深くご理解いただけると思います。合わせてご活用ください。

代表 中村
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 こちらのフォームから、「2020年度版『チャットボットベンダー』徹底比較集」をDLいただけます! ベンダー比較・検討する際の参考として、ぜひご活用くださいね。
2020年度版『チャットボットベンダー』徹底比較集

こちらの比較集では、数多あるチャットボットベンダーを自社開発AI/OEM型AI/人工無脳に分類し、それぞれのメリットとデメリットを解説しています。
さらに、自社開発AIについては各社の導入事例を元に定量的な性能評価を行っているので、チャットボット導入を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

2020年度版『チャットボットベンダー』徹底比較集

約70社のチャットボットベンダーをAIの有無、自社開発か否かで分かりやすく分類!
さらに自社開発のAIチャットボット22社について、回答精度・機能・デザインなどについて独自に性能評価をしました。
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